僕と彼女のファースト・ハグ (2020)：映画短評

　不潔恐怖や儀式行為などの強迫性障害を抱えた孤独なピアノ教師が、まるで正反対の明るくてズボラで猪突猛進なシンガーソングライターの女性と出会い、ひょんなことからコンビを組んで音楽オーディション番組の優勝を目指す。韓国映画『プランマン～恋のアラームが止まらない！』が元ネタだが、どこかノスタルジックでお洒落でポップな映像や、ブラックなユーモアを効かせたシュールなコメディ演出は、むしろフランス映画『アメリ』なんかを彷彿とさせる。監督・脚本を兼ねる主役のチャン・ユエンもチャーミングで好演。まあ、ご都合主義的なツッコミどころも少なくないが、あくまでもファンタジーとして楽しみたい。