海上48hours -悪夢のバカンス- (2022):映画短評
海上48hours -悪夢のバカンス- (2022)ライター4人の平均評価: 3
カンザスの爆弾娘、覚醒!
夏か来れば見たくなるジャンル、サメ映画の最新作。大海原に取り残された、無軌道な大学生たちが順番にサメの餌食になっていく……という安定のホラー路線。
ありがちといえばありがちな物語だが、ヒロインのキャラは面白い。学生の中で唯一悪さをしない、いわゆる“グッド・ガール”。恋人の浮気や親友の裏切りを乗り越え、内面からたくましくなっていく点にドラマがある。“私はカンザス娘、死ぬまで戦う”というセリフにシビレた。
キャラはアメリカの大学生だが、スタッフ&キャストがほぼイギリス人で資本も英国というのがユニーク。イギリス製ジャンル映画で頭角を現わしたJ・ナン監督の小気味よいタッチも買い。
バカ者どもが次々とサメに食われて愉快痛快!?
もはや夏の風物詩か?ということで今夏も登場しましたサメ映画。あの『海底47m』シリーズとは関係ないけれど、まあ、基本は似たようなもんですな。スプリングブレイクでメキシコへ遊びに来たアメリカ人のおバカな若者グループが、盗んだ水上バイクを乗り回してヒャッホーしていたところ、うっかり事故って大海原に取り残され、周辺を泳いでいた獰猛な人喰いザメに襲われてしまう。何の新鮮味もない予定調和の塊みたいな映画だが、まあ、「お前らさすがに自業自得だよな!」としか言いようのない若者たちが、ひとりまたひとりと食い殺されていくのはある意味で痛快(笑)。暇つぶしにはちょうどいいB級エンターテインメントだ。
ひたすら自業自得の嵐!
冒頭からスプリングブレイクで、はしゃぎまくるパリピが描かれるだけに、『ピラニア3D』みたいなヒャッハー感を期待してしまうが、そこは『海底47m』製作陣の新作。米国公開タイトル『Shark Bait』や英国公開タイトル『Jetski』から想像させるウルトラC級感にもならず、正当な海上サバイバル・サスペンスが展開されていく。肝心のサメの登場シーンやヴィジュアルも、許容範囲といったところだ。ただ、水上バイク窃盗に飲酒運転、浮気発覚など、登場人物の身勝手な行動が目立ちすぎて、ひたすら自業自得の嵐! どんなに酷い目に遭おうと感情移入できない意味で、新種のサメ映画と言えるかもしれないので、★おまけ。
夏といえばやっぱり海、そしてサメ
この頃は妙な天候だが、夏といえば、やっぱりスクリーンで見たくなるのは、海、そしてサメ。そんな季節にタイミングよく登場するのが本作。48という数字が海洋サスペンス『海底47m』シリーズを連想させるタイトルなのは、スタッフに関連があるから。あのシリーズのセカンドユニット監督ジェームズ・ナンが、本作の監督を務めている。
真夏の日差し、青く輝く海、夏休みの享楽的な若者5人、人間を襲うサメ、と定番の道具立てが揃ってサバイバル劇が始まるが、登場人物たちが助かってほしいと思えないようなキャラ設定で、サメの襲撃描写がスプラッタ系なのがポイント。漂流中に喉が渇いた気がしてくるので、水分補給しながら見よう。