クリーチャーズ/宇宙から来た食人族 (2020):映画短評
クリーチャーズ/宇宙から来た食人族 (2020)ライター3人の平均評価: 2.3
中途半端な悪趣味さと歯切れの悪さが凄まじい!
『グレムリン』よりも『クリッター』よりも、『グーリーズ』に近いという意味では。エンパイア・ピクチャーズのオマージュにも取れる。とはいえ、なぜかキャロライン・マンローも出てた『キュート・リトル・バニーズ』のトニー・ジョピア監督作らしい中途半端な悪趣味さと歯切れの悪さが凄まじい! アサイラムよりクオリティが低いCGに、腹が立つほどヘタクソな芝居など、103分の上映時間も長尺に感じるほどの恐ろしさだが、あまりに謎な過去を持つ日本人女子の活躍が唯一の見どころ。改めて、ピーター・ジャクソン監督の『バッド・テイスト』が奇跡の産物だったと痛感させられる一本でもある。
下らないうえに激安!「トロル2」ばりの底抜けZ級SFホラー!
おバカな大学生グループがモグワイ風の可愛いエイリアン、マンピーと遭遇。ところが、そのマンピーをつけ狙う凶暴な爬虫類型エイリアン軍団に襲われてしまう…という英国産SFホラー。さながら「グレムリン」×「クリッター」といった感じで、殺された人間がヒルみたいな宇宙生物に寄生されてゾンビ化するのは完全に「クリープス」のパクリだが、とにかくまあ安いのなんのって(笑)。パペット感丸出しのチープな小型エイリアンに、目を疑うほど粗雑なCG合成。いやあ酷い!酷すぎて笑い転げてしまったぞ!アホなギャグのスベり方もある意味絶妙で、意外と楽しめるのが困りもの。「トロル2」ばりの底抜けZ級映画としてカルト化するかも?
基本ユルめ、しかしギャグと血糊は遠慮なし!
エイリアンによる侵略とゾンビパニックをかけあわせ、ブラックユーモアで煮詰めた怪作。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を下敷きにした、一軒家に立てこもってサバイバルを図る人々の奮闘劇はスリリングというより、むしろ弛緩気味。そこに生じた隙間を笑いで埋めてくる。特撮をあえてショボく見せたのも、悪玉エイリアンたちをドタバタキャラに設定したのも、そんな意図からだろう。
ユルユルだが、それでも目を見張ったのは、スプラッター描写の本気度。顔面真っ二つや頭部損壊などの瞬間的バイオレンスにもブラックユーモアがにじみ、『グレムリン』などのSFのパロディを含めて、その筋のファンにはオススメ。