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少年たちの時代革命 (2021):映画短評

少年たちの時代革命 (2021)

2022年12月10日公開 86分

少年たちの時代革命
(C) Animal Farm Production

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

香港社会の今を生々しく切り取った青春群像劇

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 民主化デモに揺れる’19年夏の香港。若者たちによる抗議の投身自殺が相次ぐ中、香港の未来に絶望する少女が自殺を決意。それをSNSで知った見ず知らずの若者たちが、志を同じくする仲間をこれ以上死なせたくないと、自殺を思い止まらせるため少女の行方を探す。その過程で、民衆の声を無視する政府への怒り、デモでは何も変えられないという現実に対する焦燥感、長いものに巻かれた大人たちへの失望など、自由のために戦う香港の若者たちの様々な想いが浮かび上がる。まさに、香港社会の今を生々しく切り取った青春群像劇。もし仮に日本で自由が奪われた時、彼らのように戦う者が果たしてどれだけいるだろうか?とも思う。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

別の角度から捉える香港民主化デモ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

これまでドキュメンタリーとして語られることが多かった香港民主化デモだが、本作は劇映画。若者による相次ぐ抗議の自殺を止めるために結成された、民間捜索隊の活動を描く。SNSや独自の情報網を駆使する彼らの存在や各役割は興味深く、それを青春映画として仕上げようとした製作陣の意志は買いたい。ただ、完全な素人演技に加え、妙に緊迫感に欠ける演出も相まって、どうも引き付けられない。レックス・レン監督は、自身が過去にスタッフを務めた『メイド・イン・ホンコン』を意識したようだが、正直あそこまでの熱量は感じられず、完成度も低いのは事実。香港で上映できないレアさに、★おまけ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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