キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) (2021):映画短評
キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) (2021)「寛容」の大切さを改めて知らしめる戦争ドラマの佳作
第二次世界大戦下のウクライナを舞台に、同じアパートに暮らすウクライナ人・ユダヤ人・ポーランド人の3家族の過酷な運命を描いた戦争ドラマ。ロシア人が来ればポーランド人が迫害され、ドイツ人が来ればユダヤ人が迫害され、大人たちはお互いに子供を守るために命を懸ける。歴史的な背景を知らないと理解しづらいシーンも少なくないが、しかしそれでもなお民族や国籍を理由にした憎悪と対立の愚かさは明確に伝わってくるだろう。それだけに、昨今の不穏な世界情勢が否応なく想起され、我々は歴史を通じて過去の悲劇から「寛容」の大切さを学んだのではなかったのか?と改めて痛感させられる。そういう意味で非常にタイムリーな作品だ。
この短評にはネタバレを含んでいます