アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~:映画短評
アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~ライター2人の平均評価: 3.5
中年女性たちを妄想に浸らせてくれる
ごく普通の私なのにスーパースターに見初められちゃった、というのは多くの人が持つ夢。25年前には「ノッティングヒルの恋人」がヒットした。だがこの映画は一段とハードルを上げる。なにせ女性が16歳も上なのだ。一般人同士であってもあまり例がないのに、超ホットなミュージシャンの男性からグイグイ押され、プライベートジェットで世界を旅するなんて、中年女性にとっては最高の妄想物語ではないか。そこに浸るのは良いが、この映画の中年女性は美しきアン・ハサウェイであることを忘れないように。ただ、男女が逆なら、この年齢差はこの映画の主人公ほどには責められないはず。社会にあるそんな女性差別に触れているのは良い。
年の差ラブストーリーとして映画らしい王道のときめき感
16歳下の人気ミュージシャンと恋におちる40歳シングルマザー。その基本設定もアン・ハサウェイが演じれば生々しさより、ときめき感、オシャレ感が増し増しに。しかも職業がアート販売なのでビジュアル的に華やか。ありがちな“年の差ラブストーリー”なのに、ここまで嫌味ゼロなのは不思議なくらい。非日常も含め映画の王道に浸ってしまう。一方で熱愛シーンは思いのほか濃厚だったり。
相手役ニコラス・ガリツィンは、俳優としてはまだオーラ弱めも、他のバンドメンバーとともにステージパフォーマンスの余裕、キレは十分。一途な想いも繊細に体現する。
2人の運命がどうなるか。最後の最後まで行ったり来たりする展開を見守ってしまう。