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HOW TO BLOW UP (2022):映画短評

HOW TO BLOW UP (2022)

2024年6月14日公開 104分

HOW TO BLOW UP
(C) Wild West LLC 2022

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

森 直人

エコテロの「子供っぽさ」も正確に反映されている

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

英国のジャスト・ストップ・オイルなどエコテロリズムは昨今欧米で話題だが、マスではほぼ幼稚な迷惑行為として扱われている。実際徒にバズり度を狙ったものが目立つが、それでも気候変動が若い世代の最も切羽詰まった問題意識として共有されているのは確かだろう。

2022年の本作はこの現象と連動した映画だ。マルムの原作から受け継いだタイトルは『腹腹時計』の如きぶっそうなもので、一見するとZ世代の若松プロ。だが『現金に体を張れ』や『レザボア・ドッグス』等を教材に使いケイパー映画の形式を巧く援用した。16mm撮影も効果的で、ジャンル映画的なまとめ方こそ今っぽい。暴力革命にも批評的視点が周到に用意されている。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

テーマはガチ社会派も、巧みなエンタメ感で最後の最後まで魅せる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

環境保護に関するテロ行為という設定はあるにせよ、社会派のノリは意識的に抑え、あくまでも犯罪ムービーのテイストを強調したことで、“観客を選ばない”仕上がりに。パイプライン爆破というシリアスな計画には、少々安易で短絡的な箇所もあり、そこが破綻しそうなハラハラ感がつねにつきまとう。このあたりも作り手の計算が見事に働いた。

計画に参加した8人の素顔や動機がじわじわ明かされる構成も巧み。終盤まで重要ポイントがベールに包まれ、映画的カタルシスも訪れる。
現在の物語のようで、スマホではなくガラケーが多用されていたりして、そんなアナログ感が、無名の者たちの行為に泥くささと無垢さを与えている。拾い物的な傑作。

この短評にはネタバレを含んでいます
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