ビートルジュース ビートルジュース (2024):映画短評
ビートルジュース ビートルジュース (2024)ライター6人の平均評価: 3.8
まさにエスケープさせてくれる娯楽作
やはり36年ぶりの続編である「トップガン マーヴェリック」が大当たりしたばかりとは言え、アナログならではの独特のノリの「ビートルジュース」を今またやるのはどうなのかと思っていたら、意外なほど楽しめた。怖いところはちゃんと怖く、たっぷり笑わせてくれるのは前作通り。最新のテクノロジーが駆使されているのだろうが、手作りっぽさをあえて重視するビジュアルもチャーミング。多くのキャラクターが出てきていろいろなことが起きるわりに、詰め込みすぎ感はなく、テンポも良い。マイケル・キートン、ウィノナ・ライダーはもちろんだが、キャサリン・オハラは最高。まさにエスケープさせてくれる娯楽作だ。
ゴス少女の血脈が生きている!
T・バートンのファンであれば満足のいく怪作。36年前の前作のノリが甦り、ニヤニヤしながら楽しんだ。
霊界ツアーのジェットコースター的描写を踏襲しつつ、エロネタこそなくなったがビートルジュースのゲスなノリも健在。嘘だらけの大人と格闘するゴス少女を輝かせた目線も嬉しい。新ヒロイン、J・オルテガの偽善を見抜くような目つきの魅力は前作のウィノナ・ライダーに通じるものがある。
前作の「バナナ・ボート」に匹敵するミュージカルシークエンスがないのは残念だが、「マッカーサー・パーク」が流れるヘンテコな教会ダンスには味があり、これまたニヤニヤ。
このタイトルなら、3作目も期待せずにはいられない!
『ツイスターズ』『エイリアン:ロムルス』に続き、オリジナル好きのツボを突く続編。とにかく36年経ってもティム・バートン監督による、やや悪趣味なアートセンスが劣るどころが変わらず。欧米人のように大爆笑とはならずとも、そのスラップスティックなノリに引き込まれてしまうのも変わらず。こちらもリディアの愛娘をヒロインにした次世代の物語でありつつ、「バナナ・ボート」はもちろん、“ワケあって”業界から干されてるジェフリー・ジョーンズが演じたチャールズのトンデモ扱いに至るまで、サービス満点。おまけに、日本語吹替版にはまさかのサプライズも! このタイトルなら、3作目も期待せずにはいられない。
36年後に同じテイストをキープさせる、強烈な執着が愛おしい
オープニングタイトルの映像から36年前の1作目にタイムスリップ。その後もアナログなテイストを全開にして、オリジナルの精神を復活させようとしたバートン。その意図は素直に受け止められた。ツギハギ皮膚の奇怪さと楽しさ。風船のような肉体。どれも愛おしい。ミュージカルシーンも最近の映画とは違う力の脱け感。全体にディズニーランドの最先端アトラクションに慣れた人が、浅草花やしきに迷い込むような味わいかも。その感覚に無理やりにでも乗っかって鑑賞すべし。
ウィノナ(まぁ期待どおり)からジェナ・オルテガへの、バートン“ミューズ”バトンタッチに頷き、個人的にはクライマックスの、名作ホラーへのオマージュが超ツボ!
リディアの物語は、そのままティム・バートンの物語
ティム・バートン監督が、初期のバートン監督の世界に帰ってきた。今、振り返ればアダムス・ファミリーの長女を描くドラマ「ウェンズデー」を監督したのは、このための助走。同作のヒロイン役ジェナ・オルテガと、美術のマーク・スクルートンを従えて、バートンの世界に本格復帰。前作『ビートルジュース』では世界に馴染めない少女だったリディアが、時を経て自分を見失うが、しかしそれを再発見する物語は、そのまま、ティム・バートン自身の物語でもあるだろう。
楽しいのは、前作にも登場したティム・バートン仕様の『デューン 砂の惑星』のサンドワーム。出現の仕方がドゥニ・ヴィルヌーヴ版を踏まえて進化してるのも嬉しい。
悪趣味なティム・バートンが還ってきた!!
最近は年齢も重ね、人の親にもなり何となく毒っ気が薄くなり丸くなった感のあったティム・バートン。それはそれでよいとも思うのですが、やっぱりゴスで悪趣味なティム・バートンも見たい!と思っていたところでなんと『ビートルジュース』の続編が登場!35年ぶりの続編ですがメインキャストが続投していることが素晴らしく、とても嬉しい事柄です。もちろんメイクがあるからですがマイケル・キートンが全く変わってないように感じられるのはお見事の一言です。新ヒロイン枠にジェナ・オルテガという面白いキャスティングですね。