満ち足りた家族 (2024):映画短評
満ち足りた家族 (2024)韓国映画としてのアレンジが肝
リチャード・ギアとスティーヴ・クーガンが兄弟を演じた『冷たい晩餐』と同様、「倫理観」をテーマに描いた小説の映画化だが、その出来は雲泥の差。それもそのはず。4度目の映画化となる今回の韓国版は、キャラ設定など、イタリア版(『われらの子どもたち』)をベースにしているうえ、教育や介護といった韓国社会における問題点も巧く取り入れるなど、かなり意欲的な作りになっている。ホ・ジノ監督といえば、ラブストーリーのイメージが強いが、今回は繊細な心理描写を際立たせ、事件の加害者となった我が子を守ろうとするソル・ギョングとチャン・ドンゴンの駆け引きをスリリングに捉えている。
この短評にはネタバレを含んでいます