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エイリアン:ロムルス (2024):映画短評

エイリアン:ロムルス (2024)

2024年9月6日公開 119分

エイリアン:ロムルス
(C) 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.4

森 直人

「ちょうどいい面白さ」の見本!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

これぞ2024年仕様『エイリアン』の最適解だ!というドヤ感が真っ当に窺える優秀なフランチャイズ。まずは1stの構造&要素にシンプル回帰。同時に絶好調のC・スピーニーを始め新進スター陣を揃え、集団でディストピアのサバイバルに乗り出す展開は『メイズ・ランナー』などヤングアダルト系SFの系譜に則った企画でもある。ティーンホラーっぽい趣もあり、実に周到なプロダクト。

監督は『ドント・ブリーズ』のF・アルバレス。彼の起用も正に適材適所(“あるモチーフ”も共通!)。尺の長さも第1作とほぼ同じだが、速度や物量はめっちゃ上がっている。適度なユルさや遊びも込みでハナから80点狙いをきっちり果たした様な成功例。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

1と2のファンには尚更オススメ!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 時系列は『エイリアン』と『エイリアン2』の間。惑星植民地の劣悪な環境に嫌気のさした若者たちが自由を求めて脱走を図ったところ、宇宙ステーションの廃墟に潜むエイリアンの大群と対峙する。リメイク版『死霊のはらわた』や『ドント・ブリーズ』のアルバレス監督だけあって、スリルもサスペンスもゴアもウルトラハード!と同時に、リドリー・スコットやジェームズ・キャメロンのビジョンを丁寧に再現している。変にアップデートなどせず旧作のディストピア感を踏襲した近未来の世界観、CGIではなく物理的なセットやアニマトロニクス、クリーチャー・スーツを多用した特撮も良し。これこそファンが見たかった『エイリアン』映画ですな!

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くれい響

新規にも優しい“宇宙の『ドント・ブリーズ』”

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ツイスターズ』に続き、往年のファンのハートを掴みつつ、新規にも優しい次世代に受け継がれる良作! 闇バイトに手を染めた若者が逆にヤバい奴に襲われるフェデ・アルバレス監督作だけに、まさに“宇宙の『ドント・ブリーズ』”。時代背景的には1作目と2作目のあいだ。随所に登場するシリーズへのリスペクト&オマージュとともに2作目ばりのガジェットによる反撃もたまらない。未来のシガニー・ウィーバーになるかはさておき、ケイリー・スピーニーのスター性を感じずにはいられないし、3作目以降の記憶や偏愛をも吹き飛ばす快作。予習に関しては“あのキャラ”が登場する1作目のみ必修ということで!

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猿渡 由紀

最初は静かだが後半ドカンと来る

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

1979年の「エイリアン」の後の話。かなりの時間静かなムードが続き、ようやく怖いものが出てきても最初のほうは見覚えのある感じ。だが、話が進むにつれどんどん緊迫感が増し、後半には想像もしなかった強烈なものが待ち構えている。思わず叫びたくなってしまう、絶対に映画館でするべき体験。このシリーズのレガシーへの敬意もたっぷり。逆に言えば、新しい方向に持っていくことはしていない。「プリシラ」「シビル・ウォー」など最近話題作が続いたケイリー・スピーニーは、この映画でもスターの魅力を発揮。難しいキャラクターをしっかり演じてみせたデビッド・ジョンソンも、今後注目していきたい俳優。

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平沢 薫

すべての『エイリアン』映画への敬意があふれ出す

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 これまでの『エイリアン』シリーズ全映画への熱い敬意が込められていて、胸を打つ。

 物語の必須構成要素を継承し、セリフやアイテムを引用。デヴィッド・フィンチャー監督『エイリアン3』の、昼も夜も常に暗い黄昏色に閉ざされた世界、ヒロインの顔にエイリアンの口が触れそうな構図との再会も嬉しい。特殊効果はCGIに頼らず、過去作を手がけたスタン・ウィンストン・スタジオを継承するレガシー・エフェクツや、アレック・ギリス率いるスタジオ・ギリスが参加、ティペット・スタジオも加わる。それでいてアンドロイドの役目にはヒネリがあり、『エイリアン』の歴史を損なうことなく、新たな物語を生み出すことに成功している。

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村松 健太郎

原点回帰&心機一転

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

正史でカウントすると7作目になる最新作。時系列的には1と2の間なので1だけは見直しておくとよいかもしれません。ただ、シリーズの中でも今までにないぐらい独立性が強くて、これ一本でも十分楽しめます。リドリー・スコットが監督しないシリーズ作品に製作で関わるのはこれが初かと。オリジナルの部分を意識しながらもスタッフ・キャストが大きく若返って心機一転という感じです。それでいてシンプルな”『エイリアン』の映画”にもなっていて原点回帰という感じもあります。心機一転と原点回帰という相反するものを高いレベルで実現させている稀有な逸品となりました。

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斉藤 博昭

45年前の衝撃体験を、できる限り今の時代に甦らせる敢闘

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

オープニングの静寂が、時を超えて1作目の空気を甦らせる。宇宙空間の広大さ、荘厳さを瞬間的体感させ、その後に起こる密室の逃げ場を失う恐怖(監督の真骨頂)を予兆。主人公たちが廃船ステーションに向けて飛び立つシークエンスの、鮮やかな映像の繋ぎ、そのテンポも相まって、待ち受けるパニックへの心が躍る。粘着質の生々しさ、突然のショック描写など、作品として期待するパートも的確。
100年後のディストピアなムードを変に引っ張らないのも作品として正解。
メインの舞台となる宇宙ステーションの内部構想がややわかりにくいが、そこを差し引いても美徳は減らず。1作目を愛した人は、できる限り予備知識少なくの鑑賞がオススメ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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