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ザ・レイド GOKUDO (2014):映画短評

ザ・レイド GOKUDO (2014)

2014年11月22日公開 146分

ザ・レイド GOKUDO
(C) 2013 PT Merantau Films

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

なかざわひでゆき

アクションはもちろん役者の面構えも素晴らしい

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 とにかくアクションの凄まじさがハンパじゃない。それも、見ていて思わず“イタタ…!”と呟いてしまうような。銃撃戦や肉弾格闘戦を交えたカーチェイスなど、よくぞ死人が出なかったものだと唸らされる。
 日本ヤクザの出番は少ないものの、監督がヤクザ映画のファンだとあってか、その存在感は抜群。だが、それ以上にシビれるのは、素晴らしいほどに不敵な面構えをしたインドネシア人俳優たちだ。
 前作とは一味違った殺し屋の悲哀を漂わせるヤヤン・ルヒアン、「V/H/S ネクストレベル」の教祖役も記憶に新しいエピィ・クスナンダールなどの荒々しくも強烈な個性が、このウルトラハードボイルドな物語に異様な熱気を与えている。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

といいつつも三作目に期待せずにはいられない!

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

ひたすらまっすぐなエスカレーションの中に壮絶なシラック・アクションを展開した前作はまさにエポックだが、この続編は物語がいきなり複雑に。『インファナル・アフェア』的潜入捜査ものに『用心棒』的な二極抗争攪乱もの、さらに日本のヤクザまで加わって、より深化したとはいえるけれど…。そのぶん、ほとんどホラーかよ、ってくらいエグい死に方が続出するハイレヴェルなアクション(女刺客の電車内大暴れは『GANTZ』だね)の数々が物語のつなぎのようになってしまい、インパクトが弱まったのは勿体ない。前作のマッド・ドッグ役よりもキャラクターにふくらみのあるヤヤン・ルヒアンが、案外あっさり消えてしまうのも惜しいな。

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

『るろ剣』2部作に並び今年BESTのアクションシーンが満載!

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 誰もが前作同様、シンプルな純粋活劇を期待したことだろう。まんまとそれをかわしたのは、ギャレス・エバンス監督が演出力の幅を見せつける矜恃と野心だ。裏社会の掟をめぐる重厚なドラマ。潜入捜査がもたらすサスペンス。そして随所にちりばめた限定空間バトルの数々。とりわけ刑務所中庭での大乱闘は、ぬかるんだ地面に足を取られ、格闘術シラットの鮮やかさを封じ込められながらも、撮影・編集・音楽も相俟ってバイオレンス描写に美学さえ感じさせる。香港から呼び寄せたチームが披露するカーアクションも冴えを見せている。日本のヤクザ役・松田龍平の活躍を匂わせるパート3の実現には、大いに期待したい。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

前作は超傑作、今作は痛快大作!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

インドネシアの特殊格闘術シラットを軸にひとつのビルで凝縮型のアクションを繰り広げ、『死亡遊戯』や『ダイ・ハード』と比較された前作。しかし今回は全体のスタイルを変えてきた。言わば『インファナル・アフェア』+『ゴッドファーザー』+『キル・ビル』。潜入捜査物であり、マフィアのファミリー劇であり、「ハンマー・ガール」というゴーゴー夕張的な戦闘女子キャラ等が登場する!

驚くべきは、これだけ盛り沢山なのに表現密度が高いこと。真っ向勝負のストーリーテリングの中、鋭く速いアクションを炸裂させる。監督G・エヴァンスは完全に実力証明を果たした。あとは日本勢=「極道」の活躍が本格化するであろう第3弾が楽しみだ!

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平沢 薫

アドレナリンが体内で分泌する音がする

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

音響が尋常ではない。音が、登場人物の体内の状況を体感させる。アドレナリンの分泌する音がする。血の気が引いて行く音がする。登場人物の血流の変化が、まるで自分の体内の出来事のように感じられる。格闘場面のカメラワークも普通ではない。まるで格闘者のすぐ近くにいて、その動きにつられて目が動いてしまうかのように、急にカメラの被写体に対する角度が変化する。

もともと、東南アジアの伝統武術シラッドの実際の使い手たちが出演し実際に格闘するリアルさが魅力の本シリーズだが、この肉弾戦の迫力は、本物の実演のせいだけではない。この監督が他分野を撮るとどうなるのか気になるが、すでに「3」製作が決定しているようだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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