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ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス (2014):映画短評

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス (2014)

2015年6月5日公開 122分

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス
TM & (C) 2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

相馬 学

ヒロインを翻弄する、プロパガンダというゲーム

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 交渉主体で戦闘少なめの『仁義なき戦い/頂上決戦』や、刑務所を舞台していない『プリズン・ブレイク』2ndシーンズのように、シリーズ作品には主題からズレるが重要なピースがある。『ハンガーゲーム』シリーズでは本作がそれに相当する。前2作のゲームは行なわれず、駆け引きや戦略によってサーガはうねる。それはクライマックスへ向けた助走とも言えるだろう。

 ゲームがないとはいえヒロイン、カットニスの“ゲーム”の駒としての役割には一貫性がある。つねづねプロパガンダに利用されてきた彼女が今回は革命軍側の宣伝に駆り出され、大きな流れに翻弄される。彼女がこの先どうなるかという点でも、次作に期待を抱かせるに十分だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

まるで「奇妙な果実」のような反乱軍歌も耳残り。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

同工異曲のYAディストピアものが乱立する中、J.ローレンスの演技的強靭さもあって僕はダントツに好きなシリーズだが、ここに至るともはや“ゲーム”的要素皆無。いや、政治的駆け引きを“ゲーム”と呼ぶならまさにそれで、本作ではなんとプロパガンダ合戦こそがメインとなるのだ。ヒロインも馬鹿ではなく、自分が戦意高揚のための道具として利用されているに過ぎないことに(それが支持する反乱軍側にではあっても)徹底して自覚的なのがいい。パート2へのつなぎなのは否めないものの、P.S.ホフマン(全篇に登場!)やJ.ライト、J.ムーアらもはや存在自体が面白い俳優たちの顔揃いだけでも楽しく、引き伸ばされた感は案外少ない。

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山縣みどり

だんだん芝居がかってきましたね。

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

ディストピアものでトリロジー、しかも第3弾は二分割。映画会社の「儲けたるぜ」な意向が透けて見える段階で、ややゲンナリ。蓋を開けてみたら、さらに……。どう考えてもFINALパート2へのつなぎでしかない作り方だし、ベストセラーという原作に胡座をかいているらしく前作からのつなぎが悪い! 満を持して登場のジュリアン・ムーアや故フィリップ・シーモア・ホフマンもいいとこなしだし、芝居がかった演技がどうにも鼻につく。いや、芝居だってわかってるんだけどさ。大金かけて作ってるのが一目瞭然だから、余計にもったいない感が心にしこりとなって残ります。

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なかざわひでゆき

あくまでもファイナルバトルへ向けた前哨戦

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 いよいよ幕を開けるシリーズ最終章の前編。2のラストで故郷の第12地区が全滅したことを知らされたカットニスは、市民革命の象徴として独裁政権打倒の戦いに身を投じる。
 成り行きで祭り上げられた救世主の役割に葛藤し、反乱軍のプロパガンダとして利用されることに戸惑うカットニスが、いかにして民衆を率いていくのか。いわば、ジャンヌ・ダルク的ヒロインの覚醒が本作の肝だ。
 ただ、基本はティーン向けアクションなので独裁者の非道や理不尽の描写は甘いし、ファイナルバトルへ向けた前哨戦ゆえに派手な見せ場も少なめ。とりあえず、今回散りばめられた伏線が後編でどう結実していくのか。そこで評価が決まるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
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