貞子vs伽椰子 (2016):映画短評
貞子vs伽椰子 (2016)ライター4人の平均評価: 4
金脈見つけた!……かも?
正直、まだシリーズが続くのかと冷めた目で見つつ、
スマホとの連動とか、白石晃士監督を投入とか、毎度の企画力に感心。
でもやはり今回は、貞子&伽倻子&俊雄という強力怨霊と対決する、霊媒師役の安藤政信&菊地麻衣コンビの存在が効いている。
彼らの登場が、主人公と共に観客をも現実世界へと引き戻し、緊張が続く物語に絶妙な”間”と笑いを呼ぶ。その緩急がジェットコースターのごとくリズムが良い。
それにしても安藤のお祓いシーンが、惚れ惚れするほど様になる。
いろいろあった俳優人生だが、やはりスクリーンで絵になる男。
もっと安藤&菊地の活躍が見たいので、スピンオフ希望。
ホラーというよりコンセプトを楽しむ突き抜け娯楽作
『フレディVSジェイソン』『エイリアンVSプレデター』のように、バカバカしいけれどアリかもしれないコンセプトに主導されたのは明白。このノリをまんま楽しんでしまうのが正しい。
“敵の敵は味方”というフレディVSジェイソンのバトルの理由付けにも似た、“バケモノにはバケモノを”という理屈。安藤政信ふんする霊媒師はもちろん、早々にフェイドアウトするビンタ連発の女霊媒師、貞子に呪われたことを楽しんでいる心霊オタク教授らのキャラの濃さも、そんな強引にして力強い設定を引き立てる。
ホラーとしてはあまりコワくはないが、ツートップのヒロインの懸命さも光り、勢いに乗って楽しめる作品であるのは間違いない。
フルパワー&ハイエナジー! ひたすら面白い大傑作!
1st『リング』が「呪いのビデオ」を“発明”してから20年弱。ネット時代におけるVHSテープという経年変化を踏まえつつ、企画物のシネコン映画ですよ~という顔をしながら白石晃士はやりたい放題だ。女子達が順に上位の霊媒師にアクセスしていく展開は、白石ファンなら『カルト』じゃん!と即答するはず。他にも自作パーツがんがんブチ詰め!
本作は白石流儀のフェイクドキュメンタリー形式ではないが、それ故フィクションの作り手として強度を明確に示したと思う。恐怖も笑いも最大出力で暴れまくったグレードアップ版。霊媒師の各御仁、そして『ヒメアノ~ル』に続き手荒な扱いドンと来いの佐津川愛美など“珠玉の怪演”もたっぷり!
『フレディVSジェイソン』の興奮ふたたび!
近年、目も当てられないほどの駄作を連発した『貞子3D』『呪怨』シリーズだったが、白石晃士監督は期待通り、物怖じせず、自身のフィールドで勝負した!佐津川愛美を『ヒメアノ~ル』より酷い目に遭わせたかと思えば、「コワすぎ!」の工藤&市川コンビを軸に、アニメ要素を加えた最強の霊媒師・経蔵&盲目の少女・珠緒の暴走が止まらない。そして、経蔵の「バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!」のセリフ通り、2大キャラを使ったモンスター・バトルに突入。『フレディVSジェイソン』の興奮ふたたびだが、やりたいことをやりながら、オリジナルもリスペクト。主演の美女2人もスクリーム・クイーンの役割を果たしてるので問題なし。