50回目のファーストキス (2018):映画短評
50回目のファーストキス (2018)ライター2人の平均評価: 4
日本の恋愛映画なんてクソだね!という人にこそ見て欲しい良作
『コドモ警察』や『変態仮面』の福田雄一監督が難病系の純愛ラブストーリーに挑戦!という意外性が一つの目玉ではあるが、しかしこれが見事なまでに福田映画になっている。おバカでユルユルなギャグが満載。それでいて、ラブストーリーとしてもちゃんと成立している。まさに爆笑と感動のつるべ打ち。日本の恋愛映画なんてクソだね!と言っている人にこそ見て欲しい作品と言えるだろう。
しかもこれ、ご存知の通りハリウッド映画のリメイクなのだが、洋画の設定を邦画に寄せた際に起こりうる無理やり感が全くない。日本人が大勢暮らすハワイという舞台設定が有効活用されているし、ありがちな観光映画に陥っていないところもポイント高い。
リメイクとしても、福田雄一監督作としても大成功!
主人公2人ら、オリジナルが醸し出すキャラクターの愛おしさを、日本人キャストで再現できた時点で大成功! 主人公が天文学の研究者という脚色もロマンスを盛り上げるなど、福田雄一監督には今後、“海外コメディのリメイク路線”も極めてほしいと思わせる一作となった。しかも、福田作品の常連・ムロツヨシ&佐藤二朗に至っては、オリジナルの世界観を壊さない程度に、自身のフィールドにも持って行くのだから天晴。唯一惜しむべきは、『月とキャベツ』『秒速5センチメートル』に続く、“「One more time, One more chance」映画”でありながら、オトナの事情からか、平井堅の主題歌が流れてしまうことだ。