フォルトゥナの瞳 (2018):映画短評
フォルトゥナの瞳 (2018)ライター2人の平均評価: 3
auショップから始まるSFラブストーリー
高杉くんとかぐや姫がauショップで出会って始まるラブストーリー。“死が迫った人が透けて見える男”の設定も、クァク・ジェヨン監督作っぽいラストのオチも、「世にも奇妙な物語」の1エピソード(30分弱)で片付きそうなSFを111分まで引っ張るには無理があった。もちろん三木孝浩監督ならではの丁寧な演出に、実写版『君の名は。』ばりに愛する人を救おうと奮闘する神木隆之介の素直な芝居は悪くない。それでも、クドいクライマックスで引き延ばし、ワンオクの主題歌で強引にまとめた印象は強い。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で京都を魅力的に撮っていた三木監督だが、今回の神戸はイマイチに感じる。
神木隆之介は今回も愛する女性を救うことができるのか!?
愛する人の運命を変えようとする主人公を『君の名は。』の神木隆之介が演じているのが興味深い。
結末に至る展開を原作と変えたことは、主人公の選択に納得し易くなったし、ラブストーリー面が補強され、テーマや結末の似た某作との差別化も感じられて良い。
ただ、両親を亡くした原因の改変やクライマックスに加えすぎたサスペンス的展開は余計だし、強引な展開が散見するのは少々残念。
ラストで明かされる秘密にも原作同様モヤモヤが残る。
とはいえ細部を気にしなければ、運命の選択や自己犠牲がテーマのファンタジックなラブストーリーとして楽しめ、感想を話し合いたくなる作品だとも思うので、デートムービーには良さそう。