ピッチ・パーフェクト ラストステージ (2017):映画短評
ピッチ・パーフェクト ラストステージ (2017)ライター2人の平均評価: 3.5
彼女たちの活躍の意義をこの機会に振り返りたい(←真面目)
久しぶり~!という同窓会篇。なるほど、ここでひとつの流行のサイクルもフィナーレを迎えたんだなと。ポスト『glee』の文脈で始まった第一作が2012年。今回はアカペラ大会の禁じ手だった楽器演奏も加わり、大らかに最後のお祭りを盛り上げる。
ファット・エイミーの悪いパパ役で、まさかのジョン・リスゴー出演が白眉か。売りのお下品カラーは控えめ。B級学園コメディをはみ出す話の広げ方は賛否分かれるだろうが、前二作を掘るための入門編仕様と捉えたい。思えば本シリーズ、♯MeTooパワーも反トランプ的なダイバーシティも内包していたのだ。例のゲロ吐きも差別的な毒舌実況解説ギャグも、今回は寸止めって事で。
かなり強引ながら、ファンにとっては満足の完結編
前作の構成を踏襲しながら、しっかり続編としての確立させた2作目のハードルは、さすがに高かったか! いきなり、大爆破シーンから始めたり、「カップス」を自虐ネタに使う意気込みは買いたいが、楽器OKな無法地帯となるアカペラバトルあたりから、いろいろ粗さが見えてしまう。とにかく、キャラクターに甘えてしまった感が強く、ファット・エイミーの父役のジョン・リズゴーやライバル役のルビー・ローズ姐さんは、ほぼ出オチといってもいいほど弱い。それでも、絶妙な楽曲セレクトに、定番のライブシーンなど、音楽の力は偉大であり、かなり強引ながらも、ファンとしては有終の美を飾ったと思える仕上がりだ。