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アオラレ (2020):映画短評

アオラレ (2020)

2021年5月28日公開 90分

アオラレ
(C) 2021 SOLSTICE STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

くれい響

クルマを離れてからの展開にも注目

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

さすがに、作り手も『激突!』や『ブレーキ・ダウン』にはかなわないと思ったか、クルマを離れてからの展開が意外と功を奏している、“ラッセル・クロウ版『ヒッチャー』”。まるでクマゴローのような巨漢と化したクロウのブチ切れっぷりが見どころだが、携帯すり替えての『デスノート』展開などで、意外とクレバーな攻撃も仕掛けてくる。とんでもないことになる二次被害のヤバさに加えて、伏線回収もまずまず。オープングでは、ストレス社会における感情の暴走を浮き彫りにして、ちょいと『フォーリング・ダウン』な社会派ドラマ感も煽っているが、90分間、王道のB級映画として観るのがベターといえるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

他人事ではない状況にヒヤヒヤ

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

あおり運転の報道が増えるなか、ノロマな運転であおられた経験のある身としては主人公の恐怖が実感として感じられる作品だった。クラクションを鳴らしたために執拗に追尾されるケースは日本では稀だろうが、ストレスに晒される現代人の怒りスイッチがどこにあるのかは当人しかわからない。常軌を逸した男を演じるR・クロウの険しい表情に背筋が凍る。こんな顔見たら、すぐ謝罪だ! スピルバーグの『激突!』を思い出しつつ、「我慢」「譲り合い」という言葉が頭に浮かんだ。主人公もね、反省すべき点が多々ありますよ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

あおり運転では生ヌルい!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 現代社会のストレスの延長線上に“あおり運転”があるのか!? 最初こそそんなことを考えて見たが、いや、それどころではない。

 なにしろR・クロウふんする狂気のドライバーは、冒頭の殺人・放火により道徳を失っており、失うものは何もない。そんな人間を怒らせたら、どうなるか? あおり運転などかわいいもので、ストーキングからさらにバイオレントな方向に発展。でっぷり容姿で腕っぷしも強いクロウの威圧は息苦しいばかりだ。

 悪役がオイシい映画ではあるが、時間や約束事にルーズな主人公を演じたピストリアスが体現する、現代人のだらしなさのリアルも光る。カーチェイスの描写も何気に本気度高めで目を見張った。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

「AORARE」って言葉、海外でも流通しそうな。

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

久々に邦題ならではの邦題が嬉しい(原題『Unhinded』)。でっぷり増量したラッセル・クロウが異常なあおり運転野郎を徹底怪演し、現代社会のピリピリを反映したワイドショー仕様の『激突!』2020Ver.を実現。「不快さ」を「面白さ」に昇華する映画的テクニックは中々堅実。作劇は典型的な三幕構成(例えば「設定」「対立」「解決」等)を採用しており、90分の尺を30分ずつ、三段ロケット的に新しい燃料をぶっこんでいる組成に注目。

いかにもB級的なやりすぎ感も炸裂するが、「いまの現実」のエグみを超えてフィクションとしての醍醐味を出すにはこれくらいが正解かも。カレン・ピストリアスの気の強さも良し!

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

理屈の通用しない煽り運転サイコパス野郎の恐怖!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 これはコロナ禍で大勢が不満やストレスを抱えている今だからこそ、妙に説得力のある映画と言えるかもしれない。たまたま上手く行かないことが重なってしまった朝、信号無視するドライバーに苛ついて乱暴にクラクションを鳴らしてしまったシングルマザー。ところが、運の悪いことに相手は彼女以上に虫の居所の悪いサイコパス野郎だった…ということで、理屈の通用しない暴力男に煽り運転をけしかけられたばかりか、友人や家族の命まで狙われてしまった女性の地獄巡りを描く。さながら『激突!』×『ヒッチャー』。ミソジニーを拗らせて世間を逆恨みしたDV男ラッセル・クロウの怪演が凄まじく、そのあまりに理不尽な恐怖に身の毛がよだつ。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

ラッセル・クロウの圧倒的な体躯

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

アオラレとはまた、タイムリーというか煽情的な邦題が付いたものです。
しかし、そのエクスプロテーションっぶりは、ある種の開き直りもあって楽しめました。
スピルバーグの『激突』にホラーサスペンスの傑作『ヒッチャー』を効かせた90分というタイトな上映時間も相まって一気に駆け抜けます。
意図的なのか、自然のものなのか分かりませんが、明らかに増量したラッセル・クロウの体躯はそれだけで、暴走車両の様なド迫力です。

この短評にはネタバレを含んでいます
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