バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ (2021):映画短評
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ (2021)ライター2人の平均評価: 2.5
今回は暗闇と恐怖のホラー・サスペンス映画に
かつてポール・W・S・アンダーソン監督はこのゲームをSFアクション映画に脚色したが、今回は原作ゲームに忠実な映画化がコンセプト。原作の異形の人物、部屋、小道具などを大量投入、暗闇と恐怖を優先して、ホラー・サスペンス映画として描く。さらに、ヒロインが幼い頃に見たと思ったものの正体を追求していく謎解きミステリーでもあり、身体が変形したものたちが出現するモンスター・アクションでもある。TV「アンブレラ・アカデミー」の巨体の1号役トム・ホッパー、TV「THE FLASH/フラッシュ」のファイヤーストーム役ロビー・アメルら、俳優たちのルックスがゲームキャラっぽいのも、原作ゲームへのオマージュなのかも。
ポール・W・S・アンダーソンは偉大だった!?
原作ゲームには登場しないアリスを主人公に迎えた前シリーズの完結から、5年で始まった新シリーズ。今度はしっかりゲーム1作目と2作目の世界観に寄せ、舞台を洋館と警察署に設定。クリスとクレア兄妹を始め、おなじみのキャラを登場させつつ、キャスティングに関しても、そこそこクリアはしている。ただ、前シリーズのトンデモ展開や派手なアクションがないのは分かりつつも、いかんせんドラマ性に欠け、それぞれのキャラの魅力も引き出されず。さらに、ヨハネス・ロバーツ監督が狙った「ジョン・カーペンター作品のダークなトーン」が的外れで、『海底47m』シリーズの閉塞感も皆無。まさかの出来に驚くばかりだ!