死霊館のシスター 呪いの秘密 (2023):映画短評
死霊館のシスター 呪いの秘密 (2023)ライター4人の平均評価: 3.3
ヒロインの強さが増した、前作を超える面白さ!
『ラ・ヨローナ~』に『死霊館』3作目と、このユニバースの作品を立て続けに手がけてきたM・チャベスが“シスター”の続編にも進出。この流れから察するに、彼がユニバースの今後を担うことは容易に想像できる。
前回の“シスター”の物足りない点であったヒロインのドラマを、チャベスは前作のセリフにヒントを得て補強。結果、悪魔と戦うヒロインの芯の強さが強調された。前作以上に面白くなった理由はそこにある。
もちろん前作の売り、すなわちショックホラーの魅力も増強。巻き角を持つモンスターの出現はスピード感もあり、怪物好きの筆者としてはエキサイトさせられた。次が早く見たくなる!
前作以上にクラシカルなゴシック・ムードが際立つ
時は1956年。ヨーロッパ各地で立て続けに聖職者が不審死を遂げ、悪魔の化身シスター・ヴァラクの復活を疑ったカトリック教会は、過去にルーマニアでの事件を解決したシスター・アイリーンに調査を依頼。悪魔の足跡を辿った彼女は、やがてフランスの寄宿制女学校へと辿り着く。5年ぶりに復活した死霊館スピンオフ・シリーズ第2弾。『ラ・ヨローナ~泣く女~』のマイケル・チャペス監督にバトン・タッチしたこともあり、前作以上にクラシカルな正統派ゴシック・ホラーの様相を呈している。舞台がフランスなのにみんな英語を喋っているのは違和感ありだが、しかし時代の雰囲気を丹念に再現した折り目正しい恐怖演出は格別だ。
今回は続編職強め
とうとう10周年イヤーに入った人気心霊ホラーシリーズ。スピンオフ作品ではありますが、シリーズの根幹を描く作品に仕上がっています。このシリーズはそれぞれの作品が結構独立した作品になっていてもちろん予習していればさらに楽しめますが、見ていなくても楽しめるというところが特色だったのですが、今回はかなり前作の内容を踏まえた作品になっていてこれは珍しく要予習作品となっています。ただここから新たな10年の起点にもなりそうなので、シリーズファンは押さえておかないといけない一本です。
悪魔のシスターとの対峙に、新たな要素をプラス
修道女になったアイリーンが、悪魔のシスター、ヴァラクと再び対峙する本作、監督は『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』のマイケル・チャベスに交代。閉鎖的な建造物内での影による恐怖演出は健在だが、新たな要素を複数プラス。舞台は修道院ではなく、女生徒だけの寄宿学校で、イジメもある。キリスト教の聖者である、拷問で両目を抉り出された聖女ルチアの伝説も加わる。
また、アイリーンと修道女の友人デブラとの友情、学校教師ケイトと娘の親子愛もプラス。デブラ役はTV『THE LAST OF US』も好演のストーム・リード。ケイト役で映画『ナルニア国物語』シリーズの長女役、アナ・ポップルウェルが成長した姿を見せる。