グランド・イリュージョン 見破られたトリック (2016):映画短評
グランド・イリュージョン 見破られたトリック (2016)ライター3人の平均評価: 3.3
マカオでマーク・ラファロがジャッキーと化す!
私生活でもマジックが趣味のジェイ・チョウが中国市場を一手に引き受け、マカオのサンズホテルを拠点とするダニエル・ラドクリフの小悪党っぷりも光るなか、今回の主人公は、ちょいとジャッキー・アクションも披露するマーク・ラファロ演じるディラン。彼の父の死を巡るドラマを軸に、『ステップ・アップ』『G.I.ジョー』に続き、ジョン・M・チュウ監督は“続編請負人”としての仕事をキッチリ! カードパス合戦やドンデン返しなど、前作以上に大袈裟なカメラワークとカット割&劇伴で、しっかりダマされた感覚にさせてくれる。また、前作の紅一点ヘンリーの降板は痛いが、新キャラ・ルーラの十八番が悪趣味系というあたりも面白い。
派手なマジックに興奮、その種明かしに讃嘆
もともと映画で"マジック"を描いて観客を讃嘆させるのは難しい。観客は今や映像で何でも描けることを知っているので、派手なマジックの映像を見せられただけでは感動しないのだから。そこをちゃんと意識したのが、この続編。マジックが行われた後に、それがどのようにして実現したかという舞台裏を見せてくれて、その計略と技術によって観客を讃嘆させてくれる。もう一つの前作の魅力、ストーリー面のサプライズも、しっかり踏襲。今回は、ある登場人物の意外な過去が明らかになる。
新機軸なのは、チーム全員が協力して"身体的な技術"で目の前の敵を欺いていく連携プレイ。このシーンの楽しさは出色。
映画ならではのトリック=豪華キャスト共演に惹かれて
前作を楽しんだので期待値を上げて臨んだが、それにたがわぬ出来。世直しイリュージョニスト集団の活躍は痛快だし、カード・パスのチームワークも抜群だし、雨の逆流等のイリュージョンもスケールが大きい。
女優陣を除き前作の主要キャストがほぼ結集しているのも嬉しい。これにダニエル・ラドクリフ、ジェイ・チョウも加わり個性をアピール。それぞれのキャラが際立って目を奪う、そんな華やかな競演こそ本作最大のイリュージョンと言えるかもしれない。
豪華共演だけでも楽しめるが、これだけ主要キャラが増えると混乱をきたしかねないうえに、前作の人間関係を覆すような展開もあるので、一作目を見てから臨むのが断然ベター。