コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~ (2016):映画短評
コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~ (2016)ライター5人の平均評価: 3.4
バカ上等、ワルノリ路線はさらに続く!
やる気ナシの女子高生コンビニ店員コンビがナチのバケモノとバトルする……くだらなすぎる展開だが、『クラークス』でコンビニ店員の日常をリアルかつファニーに切り取ったK・スミス監督の作品となれば見逃すわけにはいかない。
ヒロインたちの日常の描写は例によって笑えるが、スマホを手放せない今どきのJK事情も敏感に反映。らしさはそれにとどまらず、負け犬がヒーローの座へと突き進む点や、オタク好みのネタにもスミスらしさが表われている。
本作は『Mr.タスク』に続く“カナダ三部作”の第2弾で、続く完結編ではスミス作品でおなじみの、あのキャラも登場するという。次が見たくなるという点で、★一個オマケ。
自意識過剰でバカっぽいJKコンビが楽しい
ハリウッド・システム内で自身の声を失う恐怖を描いた問題作『Mr. タスク』の続編だが、テーマやメッセージ性は特にない。ヨガで自分磨きするのが大好きで、将来はミュージシャンになりたいJK二人組みがコンビニでミニナチス軍団と戦う展開は、K・スミス監督のデビュー作『クラークス』に通じる部分もあり、ファンなら大喜びマスト。スミス監督らしいパンチの効いたセリフも満載だし、実生活でも親友なハーレイ・クインとリリー=ローズ・デップの息のあった掛け合いやスマホ依存ぶりはリアルJKを見ているようで実に楽しい。ジョニデに加え、ヴァネッサ・パラディも出演するなど脇役も豪華。とにかく大笑いできるのがいい。
K・スミス監督とジョニデが家族総動員でバカやりまくり!
ケヴィン・スミス監督が前作『Mr.タスク』に続いてジョニー・デップと組んだ本作は、お互いの愛娘を主役に据えた親バカムービー。娘たちの母親(はい、ヴァネッサ・パラディも出てきます)まで引っ張り出すという念の入りようだ。
とはいえ、基本はC級おバカ路線。なにしろ、カナダのド田舎で暇を持て余した女子高生コンビが、バイト先のコンビニでチ●コ型…いえ、ソーセージ型のミニナチ軍団と戦うってだけの話ですから。下らないことこの上なし!
いわば、スミス監督とジョニデによる家族サービス映画。娘たちを本気で売り出す気があるとは思えないユルサさは微笑ましいのだが、問題は金を払ってまで見る価値があるかだな。
むちゃくちゃ豪華なファミリームービー
ジョニー・デップ家と監督ケヴィン・スミス家、2つの家族が愛娘たちのために一家総出でバックアップした豪華ファミリームービー。それでいてこの監督らしいトホホなコメディなのが魅力。主演の女子高校生コンビは監督の娘とデップの娘。スミス家からは監督の妻ジェニファー・シュウォールバックが娘の母親役を演じ、監督の母親がカメオ出演。デップ家はデップが監督の前作「Mr.タスク」のヘンな探偵役で出演、息子ジャックがカメオで、子供たちの母親ヴァネッサ・パラディが教師役で登場。リリー・ローズが弟や父親に向ける表情は"素"かも? エンドロールでデップが娘に絡む画面からは、娘大好きぶりが伝わって来てそれもいい感じ。
変わらないアナタにサービスポイント
ケヴィン・スミス監督の「浮上しない感」がハンパなく、つい偏愛してしまう(笑)。珍作『Mr.タスク』のスピンオフというまさかの形で、リリー=ローズ&ハーレイ・クイン(監督の愛娘)を使って『クラークス』的なカナダ女子映画を作ってしまうとは。W(ダブル)アンダーソンとかスパイク・ジョーンズとか、近い頃にデビューした同世代が立派になっていく中、彼の“ステイぼんくら”ぶりはもはやハードコア。こういう奴が一人いてもいい!
親子二代でバカやってます、的な「身内ノリ」もさらに延長し、前作に続きジョニデ参戦。後半おっさん臭が増してくるのはご愛敬。言ってもいいと思うけど、お母ちゃん(ヴァネッサ)も出てますんで。