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はるヲうるひと (2020):映画短評

はるヲうるひと (2020)

2021年6月4日公開 113分

はるヲうるひと
(C) 2020「はるヲうるひと」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

くれい響

カラフルな色調を黒く塗りつぶす

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

1970~80年代に最盛期だった三重県の離島がモデルだけに、導入部こそ、時代錯誤を感じるかもしれないが、戯曲の映画化だけに、その閉塞的な世界観に引き込まれる。脚本協力・城定秀夫による愛らしい人物描写も挟みながら、物語は展開されるが、いつもの面白いおっさんじゃなく、負のオーラを放ちながら、カラフルな色調を一気に黒く塗りつぶす仕掛け人・佐藤二朗の存在感は想像以上だ。一方、受けの芝居のみの山田孝之にはどこかモノ足りなさを感じつつ、安定な坂井真紀が作品を引っ張っている感もアリ。同じ風俗ネタの戯曲原作である『タイトル、拒絶』に近い感触もあり、こちらも舞台版と観比べたくなる。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

恐い佐藤二朗を見よう

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

テレビドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う』で恐くて不気味な佐藤二朗を見てツボった人は必見の一本。
原作・脚本・監督を務めた本作では圧倒的な恐怖と凶暴さで映画を支配します。
屈服すると事を薄ら笑いでごまかして受け入れる山田孝之。
誰よりも大事にされながら虚無感の中で生きる仲里依紗。この三人のいびつな三角形が映画全体を危ういバランスで創り上げます。
このバランスがいつ崩れてもおかしくないほど不安定で、それが映画を見ている側にも伝わって来て、落ち着かない気持ちにさせてくれます。

この短評にはネタバレを含んでいます
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