ドクター・ドリトル (2020):映画短評
ドクター・ドリトル (2020)ライター3人の平均評価: 3
テクノロジーとお金があるからこその再映画化なのだろうが
動物とお話しできるお医者さんなんて、すごく羨ましいし魅力的。しかも、彼は、広い敷地のお屋敷で、アヒルやらゴリラやらに囲まれて暮らしているのだ。その家の門を開ける最初の部分、そして最後は、心がワクワクする。だが、その間に起こるアドベンチャーは、いかにも月並み。彼らが訪れる未知の島もどこかで見たことがあるような感じだし、展開は容易に想像がついてしまう。CGIの動物も、昨年の「ライオンキング」を見てしまった今では感激もしない。テクノロジーもお金もあるからこその、今あらためての映画化なのだろうが、それだけ使った結果がこれかと思うと、余計にがっかりする。
トムホとの再共演に胸アツ
全米での酷評の嵐は大袈裟過ぎるが、良くも悪くも子供寄りのファミリー映画であることに間違いない。最愛の妻を失い、メンブレ状態なドリトルを動物たちがフォローする現代的解釈もありながら、スティーヴン・ギャガン監督は終始飽きさせないことを目指し、動物だけでなく、アントニオ・バンデラス演じる海賊王など、とにかく賑やか。カメラワークや効果音に至るまで、トゥーマッチな演出に乗れるかが、評価の分かれどころだ。原作からかけ離れたエディ・マーフィ版の方が出来がいいのは否めないが、やはり変人キャラがハマる社長改め博士と猟犬役のトム・ホランドの(声の)再共演などもあることから、★おまけ。
新たな当たり役
MCUでのアイアンマン/トニー・スターク、『シャーロック・ホームズ』シリーズのタイトルロールに続いて、新たにロバート・ダウニー・Jrが見事にはまった本作。
原作ではもっと常識人に近い英国紳士だったドクター・ドリトルに原作にない妻の死という喪失感を与えたことで、引退同然のエキセントリックなキャラクタに見事に“味変”させました。
ドクター・ドリトルとドリトル先生は似てい非なる存在といっていいでしょう。
MCUからも卒業したことですし、この続きも見たいと素直に思います。