NO CALL NO LIFE (2021):映画短評
NO CALL NO LIFE (2021)ラノベ原作×井樫彩監督の異色作
壁井ユカコのラノベが原作だけに、不良少年に恋した女子高生の物語を軸に、学園青春モノとSFミステリーが融合。さらに、児童虐待や育児放棄などのヘヴィな社会問題も扱われ、「ホリプロ60周年記念作」として観るのと、「『真っ赤な星』の井樫彩監督の商業デビュー作」として観るのでは、評価が変わるはず。井樫作品らしい美しい情景描写や淡々とした演出が肝であるため、優希美青とのコラボは、どこか『雪の断章 情熱』など、相米慎二監督作にも近い感触だ。小西桜子や桜井ユキの存在感はさすがで、同じホリプロ60周年記念作『太陽は動かない』と比べ、映画としての完成度も高いが、もうちょいキャッチーさは欲しかった。
この短評にはネタバレを含んでいます