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Cloud クラウド (2024):映画短評

Cloud クラウド (2024)

2024年9月27日公開

Cloud クラウド
(C) 2024 「Cloud」 製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

村松 健太郎

暴走する集団の憎悪

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

黒沢清監督×菅田将暉という組み合わせだけでも惹かれる一本。共演陣もかなり豪華ですね。黒沢清監督作品は今年なんと3作品も新作があるというのはファンとしては嬉しい限りです。サスペンススリラーとして展開される前半とガンアクションが展開される後半とでガラッと雰囲気が変わる映画ですが、映画を通しての緊張感が変わらずあるので最後まで緊張感を感じながら見ることができました。嫌悪感、忌避感がやがて不特定多数による暴力に転換されていく様は現実の延長線上の事柄としてありそうで、必ずしも絵空事に見えないということを冷静に考えると怖いですね。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

ゾクゾクさせる名人芸 削ぎ落としの妙を感じる作劇&演出

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

鳥肌が立つのは直接描写ではなく、何かの「気配」。そんな黒沢清監督の真骨頂が前半で炸裂。(いい意味で)おぞましい展開への予感が充満し、主人公にどこまで共感していいのか、その危うさに観ている側は翻弄され続ける。
微妙な目の移ろいで心情を表現してしまう菅田将暉には恐れ入るが、大した演技をしていないように見せかけ、そこが効果的になる黒沢作品らしい演者の使い方が絶味。
通常の演出・脚本なら、重要な人物の「そうなるまでの背景」や、謎めいた行動の「真相」を描きたくなるはずが、そこは潔くカット。あくまでも“やりたい表現”で突っ走る姿勢は、シャマランと重ねたくなり、ツッコミどころも愛おしく、ちょいオマケの満点。

この短評にはネタバレを含んでいます
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