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スカイスクレイパー (2018):映画短評

スカイスクレイパー (2018)

2018年9月21日公開 102分

スカイスクレイパー
(C) Universal Pictures

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

相馬 学

ロック様の筋肉が、荒唐無稽とは言わせない!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 世界最高層ビルで『タワーリング・インフェルノ』と『ダイ・ハード』をやろうという豪快な盛り具合。それだけなら荒唐無稽ともとられかねないが、家族愛を軸に置き見る側の気持ちをグイグイと引き寄せる心憎いつくり。

 監督はコメディ畑の人だが、多彩なカメラワークは高低差を感じさせるに十分だし、アクションの見せ方にも工夫がある。セリフのやりとりににじむユーモアは、もちろん抜かりなし。

 そして、やはりD・ジョンソンだ。義足で器用に足場を上り、クレーンからの疾走&ダイブをキメるアクションに説得力が宿るのは、この人の筋肉があってこそ。肉体派アクション俳優の有無を言わせぬ凄みが活きた快作。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

さながら『ダイ・ハード』×『タワーリング・インフェルノ』

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 犯罪集団の襲撃で大火災が発生した香港の超高層ハイテク・ビルを舞台に、元FBI特殊部隊のセキュリティ担当者ドウェイン・ジョンソンが、ビルに閉じ込められた妻子を救うため大活躍する。
 ということで、さながら『ダイ・ハード』×『タワーリング・インフェルノ』。ドウェイン・ジョンソンの身体能力が超人的過ぎて、んなアホな~!!という展開ばかりなのは恐らく観客も大半は承知の上だろうから、ここは素直にスペクタクルなパニックやアクションを楽しむべきだろう。懐かしのネーヴ・キャンベルは相変わらず綺麗だし、これまたお久しぶりのバイロン・マンが香港警察のチーフとして顔を出しているのもちょっと嬉しい。

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平沢 薫

落ちそう!燃えそう!原初的な恐怖心を刺激する

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ロックさまはもう何でも出来ちゃうのがデフォルトなので、今回は過去の負傷のため片方の足の膝から下が義足という設定。超ハイテク仕様の高層ビルで火災が発生、ロックさまがビル内に取り残された妻と子供2人を救おうとするが、実はその火災の背後にはある組織の陰謀がーーと、ストーリーは王道にしておいて、その分、人間の原初的な恐怖心に訴えかけるイベントを増量。高いところから落ちそうになる。立っている場所が崩れていく。燃え上がる炎が迫ってくる。それらの全人類、いやすべての動物に共通のストレートな恐怖が連打されていく。もちろん、炎の量も、崩壊の規模も、ロックさま映画ならではのド派手さ。この直球さが醍醐味だ。

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山縣みどり

高所恐怖症気味なのでヒヤッの連続でした

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

危機管理コンサルタントが逃げ場をなくした高層ビルに取り残された妻子を救おうと頑張る設定で、主人公ソーヤーがD・ジョンソンなので結果は見えている。ただ彼が選ぶ手法や障害の乗り越え方が見どころであって、期待は裏切られない。ズタズタに傷つきながら、超人的パワーでビルによじ登り、燃え盛る火をくぐり抜け、銃弾を避ける。主人公は爆破事件で片足が義足となった元FBIという設定だが、そんなハンデをものともしないタフさはロック様ならでは。最後まで安心して見ていられるはずだったが、高層ビルは危険がいっぱい。高所恐怖症気味なので、胃のあたりがキューッとなるヒヤッの連続はまさにエア4DXといった趣。

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くれい響

ロック様に頼りすぎちゃいないか!?

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

当たりはずれ激しいレジェンダリー・ピクチャーズ作品だが、コメディ畑出身のローソン・マーシャル・サーバー監督だけに、これだけのアクション大作は重荷だったか? というか、全盛期のシュワちゃん映画並みに、ロック様に頼りすぎたか、脚本があまりにお粗末すぎる。『ダイ・ハード』×『タワーリング・インフェルノ』風なプロットのなか、新鮮味を感じるのは義足という設定のみである。これといった伏線も、サプライズ要素もない。舞台が香港である意味もなく、香港だから、とりあえずやってみました感もある“鏡対決”も、ガチでオマージュに捧げてた『ジョン・ウィック:チャプター2』に見劣りしてしまう。

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斉藤 博昭

痛快さとリアルの狭間で、哀愁も漂うロック様

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

このところ『ジュマンジ』や『ランペイジ』と、超現実的シチュエーションで十八番の“ありえねぇ”アクションを炸裂させてきたドウェイン・ジョンソン。今回も超人的チャレンジを強いられるが、設定上、「説得力」が要求される。ありえなさとリアリティの狭間で揺れる感覚が、われわれ観客にももたらされるわけで、次々と待ち受けるスペクタクルを素直に興奮できるかどうか、人それぞれだろう。

あくまでも役の設定上でのことだが、字を読むために老眼鏡をかけ、無精ヒゲにも白いものが混じるなど、ロック様に妙な哀愁も漂わせる本作。まだまだ前人未到の肉体技に挑むだろうが、この哀愁は今後の主演作へのターニングポイントとも受け取れる。

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森 直人

ドウェイン・ジョンソン主演作には良いアイデアが集まってくる

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

こりゃまさしくメインが『ダイ・ハード』、サブが『タワーリング・インフェルノ』の同時再起動ですな! ロック様が家族を助けるため、NY/桑港ならぬ香港のバブリーな超高層ビルによじ登る。完全無欠な最強キャラの彼が義足という負荷を掛けられ、その欠損ゆえに色々と苦戦を強いられるのが、ジョン・マクレーン(B・ウィリス)的な人間味、等身大のおやじ感を醸し出す。

妻/ママ(ネーヴ・キャンベル)も単に庇護される存在ではなく、傑出したキレ者で夫婦のパートナーシップが随所で肝になる。ハリウッドを席捲する中国マネーと共に、現代的だわね、という感じ。『燃えよドラゴン』(≒『上海から来た女』)の応用もあり。

この短評にはネタバレを含んでいます
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