みをつくし料理帖 (2020):映画短評
みをつくし料理帖 (2020)ライター2人の平均評価: 4
予想以上に高まる、角川映画オールスターズの出演
『この世界の片隅に』のすずとリンにも似た、Wヒロインの料理人・澪と花魁・あさひ太夫のシスターフッドな関係性。そのため、ドラマ版ですず役だった松本穂香が澪を演じる、なるほど!なキャスティングである。往年の角川映画オールスターズの出演シーンは想像以上に高まるうえ、その中で楽しそうに芝居する藤井隆の「BEST HIT TV」感がヤバい! もちろん、飯テロ映画としても楽しめるが、原作前半のダイジェストにも見える展開の速さながらも、1シーン1シーン丁寧に撮られており、好感度高し。(いろんな意味で)ブッ飛んだイメージの強い角川春樹監督作とは思えないほど、温かみを感じさせる映画に仕上がっている。
新型数奇な運コロナ時代、人情味を感じられる映画で心温めて!
数奇な運命を辿る料理人と花魁の友情と成長を描く人気時代小説の映像化で、手堅い作りだし、出演陣が豪華! さらに衣装や美術、セットもしっかりと作り込まれていて、いい意味で製作・監督の角川春樹のパワーを感じる。北川景子、黒木華に続いて、澪を演じる松本穂香は健気で一生懸命な役柄がとても似合うし、見ていて応援したくなる雰囲気を醸し出している。また澪が心底気にかける幼なじみのあさひ大夫役の奈緒と松本の相性も非常によく、優しい関係性に心を打たれた。登場する江戸前料理も美味しそう。新型コロナで人との距離を取るのが当たり前になった今、人情味を感じられる映画ってホッとします。