犯罪都市 THE ROUNDUP (2022):映画短評
犯罪都市 THE ROUNDUP (2022)ライター4人の平均評価: 4
マブリーが繰り出す「技のデパート」
ベトナム・ロケなど、前作より確実にパワーアップした続編。前作では助監督だったイ・サンヨンが監督に昇進し、マブリーが繰り出す拳メインの肉弾戦に関しては、冒頭から投げるわ蹴るわと、「技のデパート」状態。バスやエレベーター内でのシチュエーションも楽しめるが、悪役を演じるソン・ソックに関しては、意外性やカリスマ性はあるものの、前作のユン・ゲサンの狂気には及ばずといったところ。とはいえ、マブリーとチェ・グィファ演じる班長との掛け合いなど、コミカル要素も増えていることから、シリーズものとしての醍醐味を味わうことができ、青木崇高や國村隼も参戦する3作目の期待度も高まる。
これは前作をさらに上回る面白さ!
マブリーの愛称で親しまれる俳優マ・ドンソクが、少々荒っぽいけど気が優しくて力持ちなウルトラマッチョ刑事を好演するクライム・アクション『犯罪都市』の第2弾。今回は犯罪者引き渡しのため上司のお供でベトナムへ行ったマブリーが、バカンス気分で羽を伸ばそうと悠長に構えていたところ、地元を根城にする韓国人犯罪グループの抗争に巻き込まれる。パンチ一撃で相手を壁まで吹っ飛ばすマブリーの超怪力ぶりは健在!畳みかけるようなアクションとユーモアのつるべ打ちは軽快&痛快そのもので、冷酷非情な犯罪者を演じるソン・ソックの狂犬ぶりもハンパない。これは前作をさらに上回る面白さだと言えよう。
愛される男マ・ドンソクの、完全無欠のスター映画!
主演のマ・ドンソクが製作を務めていることもあるが、良い意味で彼のスター映画。拳を振るう主人公の暴れっぷりが、とにかく頼もしい。
ナイフ使いに素手で挑む豪快さはもちろん、接近戦もスピーディかつ重量感豊かにキメて、アクション俳優としての存在感は十分。後半のカーアクションでは『ワイスピ』ヴィン・ディーゼルよろしく司令塔的な役割を果たし、これまた頼もしい。
一方で前作以上にコメディ色が強くなり、前半のベトナム出張ミッションは、まさに珍道中。主人公と上司のかけあいも楽しく、ドンソクがマブリーと呼ばれるほどの愛されキャラであることを再確認。不敵な悪役を含め、助演陣の好演にも注目したい。
安心して見られる
時代的なものなのか、ここまでシンプルに力で物事を解決する刑事モノというのは最近珍しく、逆に一周回って、新鮮な気分で楽しみました。
出てくる犯罪者は確かに凶悪でタチが悪いですが、何せ追いかける刑事がマ・ドンソクなので安心して見られます。往事のジョン・ウェインやシュワルツェネッガーの絶対に大丈夫な姿を見ているときに近い安心感です。いろいろクセのある人物も出てきますが、やはりど真ん中にマ・ドンソクがいて成り立っている映画ですね。実はシリーズモノのパート2ですが、前作のことはあまり気にしなくてもいいです。3作目もあるそうですが、楽しみです。