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主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞ノミネート紹介

第85回アカデミー賞

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ダニエル・デイ=ルイス 『リンカーン』

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主演ノミネート5回目(2回受賞)
1957年4月29日、イギリス生まれ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどの舞台で経験を積み、映画でも常にハイレベルな演技を見せる天才肌の俳優。『マイ・レフトフット』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で、アカデミー賞主演男優賞はすでに2度受賞。一度は俳優業を引退して靴職人の修行をするなど、スターの座に固執しない姿勢が、逆に唯一無二の役を引き寄せている。本作では有名なアメリカ大統領に、その佇まいから声質に至るまで徹底した研究で挑み、ゴールデン・グローブ賞など各賞を受賞。アカデミー賞でも最有力だ。

ホアキン・フェニックス 『ザ・マスター』

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主・助演合わせてノミネート3回目
1974年10月28日、プエルトリコ生まれ。俳優一家に生まれ、兄は1993年に急死したリヴァー・フェニックス。『誘う女』から躍進を始め、2000年の『グラディエーター』でアカデミー賞助演男優賞、2005年の『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』では同主演男優賞にそれぞれノミネート。複雑な過去や内面を抱える役を得意とし、本作で新興宗教らしき団体のカリスマ教祖に傾倒していく元軍人役は、その集大成といえる。私生活では時として過激な言動もあり、アカデミー賞に批判的なコメントも出して話題を集めた。

デンゼル・ワシントン 『フライト』

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主・助演合わせてノミネート6回目(主・助演で1回ずつ受賞)
1954年12月28日、アメリカ生まれ。大学時代に演技の面白さに目覚め、映画やテレビ、舞台で小さな役を経験。初の大役となった『遠い夜明け』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。それ以後も順調にキャリアを重ね、アカデミー賞助演男優賞受賞の『グローリー』、同主演男優賞に輝いた『トレーニング デイ』と、アフリカ系アメリカ人のトップ俳優として揺るぎない地位を獲得。英雄と犯罪者という両極端の面を持つ難しい主人公を堂々と演じきった本作で、2度目の主演男優賞を狙う。

ブラッドリー・クーパー 『世界にひとつのプレイブック』

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初ノミネート
1975年1月5日、アメリカ生まれ。1999年にテレビドラマ「SEX AND THE CITY」の1エピソードで本格的にデビューし、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の主演で大ブレイク。2011年には米ピープル誌で最もセクシーな男に選ばれた。これまでコメディーでの活躍が多かったが、名門アクターズ・スタジオで学んだ経験もあり、シリアスな演技も得意。本作では笑いの要素も押さえつつ、精神的にダメージを受けた主人公の心の再生を鮮やかに体現し、アカデミー賞での初ノミネートにつながった。

ヒュー・ジャックマン 『レ・ミゼラブル』

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初ノミネート
1968年10月12日、オーストラリア生まれ。第81回アカデミー賞授賞式で司会を務めたのが記憶に新しいが、ノミネートは意外にも初めて。初のハリウッド大作『X-メン』のウルヴァリン役で世界的に人気を得たため、アクションスターの印象が強いが、もともとミュージカルの舞台での実績が豊富。2004年、ブロードウェイで主演を務めた「ザ・ボーイ・フロム・オズ」ではトニー賞を受賞している。その実力を最大限に発揮したのが本作で、体重の増減による役づくりや、絞り出すような絶唱が観る者の心を揺り動かした。

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ジェニファー・ローレンス 『世界にひとつのプレイブック』

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主演ノミネート2回
1990年8月15日、アメリカ生まれ。女優を志し、故郷のケンタッキー州からニューヨークへ移り住む。『あの日、欲望の大地で』で注目され、『ウィンターズ・ボーン』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたのが、20歳。それからわずか2年で再び同賞にノミネートされた。本作『世界にひとつのプレイブック』では過激な言動ながら、繊細な内面が見え隠れするヒロイン役で、類いまれな才能を証明した。2012年は『ハンガー・ゲーム』も大ヒットを記録。今最も勢いのある女優として、今回のアカデミー賞でも有力候補だ。

ジェシカ・チャステイン 『ゼロ・ダーク・サーティ』

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主・助演合わせてノミネート2回
1981年3月29日、アメリカ生まれ。女優を目指してニューヨークの名門、ジュリアード学院演劇部門で学び、テレビや舞台で活躍。映画は2008年の『ジョリーン(原題) / Jolene』が初主演作と、やや遅めのスタートだったが、『ツリー・オブ・ライフ』ブラッド・ピットの妻役を射止め、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でアカデミー賞助演女優賞ノミネートと、一気にトップスターの地位を得た。本作では、実在のCIA女性分析官役で、男たちもひれ伏すほどの執念を体現し、主演女優賞レースの先頭を突っ走る。

ナオミ・ワッツ 『インポッシブル』

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主演ノミネート2回
1968年9月28日、イギリス生まれ。14歳で移住したオーストラリアのシドニーで演劇学校に在籍。インディーズ系の小作品でキャリアを積み、デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』の主演に抜てきされる。その後はアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『21グラム』や、『キング・コング』(2005)のヒロイン役などで活躍。津波に襲われる家族を描いた本作『インポッシブル』では、母親役として息子や夫への愛を熱演しているのはもちろん、全身泥まみれになる姿にスター女優のイメージは皆無。体当たりの演技が評価された。

エマニュエル・リヴァ 『愛、アムール』

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初ノミネート
1927年2月24日、フランス生まれ。1958年に映画デビューし、翌1959年、アラン・レネ監督の広島を舞台にした『二十四時間の情事』で日本人俳優の岡田英次と共演。世界的に知られるようになる。その後、多数の映画に出演し、本作では突然の発病で、心身共に衰えていく老女役を務め、終盤のリアルな演技が大きな衝撃を与えた。これまで主演女優賞ノミネートの最高齢は、『ドライビング Miss デイジー』ジェシカ・タンディの80歳だったが、85歳の彼女がこの記録を更新。タンディは受賞も果たしており、リヴァも受賞なるか?

クヮヴェンジャネ・ウォレス 『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』

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初ノミネート
2003年8月28日、アメリカ生まれ。母親は教師で、父親はトラック運転手という一般家庭に生まれ、5歳のときに『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』のオーディションを受け、4,000人の中から主人公役を射止める。同作では、病気の父と暮らしながら、母を捜す少女役で、ピュアなまなざしと、撮影当時6歳とは思えない存在感を発揮。9歳でのノミネートはアカデミー賞史上、最年少だ。それまでの主演女優賞候補で最年少だったのは、『クジラの島の少女』ケイシャ・キャッスル=ヒューズの13歳だったため、大幅に記録を塗り替えたことになる。

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クリストフ・ヴァルツ 『ジャンゴ 繋がれざる者』

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主・助演合わせてノミネート2回目(助演で1回受賞)
1956年10月4日、オーストリア生まれ。ウィーンで生まれ育ち、若いころは主に舞台で活躍。1970年代後半からテレビ出演を始め、故郷オーストリアやドイツ、スイスなどのドイツ語圏で活動。英語とフランス語も流ちょうなため『女帝キャサリン』や『私が愛したギャングスター』などに出演。アカデミー賞助演男優賞とゴールデン・グローブ、BAFTA賞を受賞した『イングロリアス・バスターズ』で世界的な脚光を浴びる。古典劇からコミカルな悪役まで演技の幅は広い。本作では、愛妻を救うために逃亡した奴隷ジャンゴを、すご腕のガンマンに育て上げる謎の賞金稼ぎ役でタランティーノ監督と再びタッグを組んだ。

アラン・アーキン 『アルゴ』

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主・助演合わせてノミネート4回目(助演で1回受賞)
1934年3月26日、アメリカ生まれ。10歳から演技レッスンを受け始めるが、大学時代にミュージシャンとしてデビュー。その後俳優に転身し、コメディー俳優を多数輩出したシカゴの劇団などで修行。ブロードウェイでトニー賞を獲得するなどの活躍を経て、1966年に『アメリカ上陸作戦』で映画デビュー。いきなりアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実力の持ち主だ。本作では、イランのカナダ大使邸にかくまわれたアメリカ人救出のために偽装する、架空映画のプロデューサーを演じた。最近では口の悪い壮年男性役が多く、ピリリとした辛口ジョークで物語を引き締める役どころに定評がある。

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主・助演合わせてノミネート4回目(主演で1回受賞)
1967年7月23日、アメリカ生まれ。大学で演技を学んだ後、テレビドラマ「LAW & ORDER ロー&オーダー」で俳優デビューし、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』の甘えたボンボン学生役で注目される。風変わりな脇役を得意としていて、トッド・ソロンズやコーエン兄弟らアート系監督に愛されており、ポール・トーマス・アンダーソン監督作の「ミューズ」ともいわれている。大学時代に劇団を共同設立したベネット・ミラー監督の『カポーティ』でアカデミー賞主演男優賞を獲得し、主演級に昇格。本作では、強烈なカリスマ性とレトリックでカルト的集団を築き上げる男を怪演している。

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主・助演合わせてノミネート4回目(助演で1回受賞)
1946年9月15日、アメリカ生まれ。ハーバード大在学中に俳優を志望し、卒業後はニューヨークへ。『ある愛の詩』の脇役で映画デビュー、ブロードウェイの舞台にも立つ。その後、売れない時代を経て、1993年『逃亡者』でついにアカデミー助演男優賞を受賞。いかつい顔立ちのせいで『逃亡者』のジェラード警部や『ノーカントリー』の保安官といったタフなこわもて役が多いが、日本ではテレビCMでコミカルな一面も披露。また監督としても評価が高い。本作では、解放だけでなく奴隷にも同等の人権を与えるべき、という思想を持つ下院議員スティーブンスを演じるため、頭を丸めて撮影に挑んだ。

ロバート・デ・ニーロ『世界にひとつのプレイブック』

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主・助演合わせてノミネート7回目(主演で1回、助演で1回受賞)
1943年8月17日、アメリカ生まれ。16歳でステラ・アドラーに師事した後、名門アクターズ・スタジオやヨーロッパ各地で演技を学び、20歳で映画デビュー。入念な役づくりをすることで知られており、アカデミー賞助演男優賞に輝いた『ゴッドファーザー PART II』ではイタリアに渡ってイタリア語とシシリー方言を完璧にマスター。主演男優賞を受賞した『レイジング・ブル』では体重を20キロ増量し、「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉が生まれた。本作では、心を壊した息子を心配し、裏で何かと画策する思いやりあふれる父親を演じている。

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アン・ハサウェイ 『レ・ミゼラブル』

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主・助演合わせてノミネート2回目(受賞なし)
1982年11月12日、アメリカ生まれ。16歳のときにテレビシリーズ「ゲット・リアル」で女優デビューし、ブスっ子がプリンセスに変身する『プリティ・プリンセス』でアイドル人気を獲得。大御所メリル・ストリープ共演の『プラダを着た悪魔』で世界的に注目された後は、出演オファーが急増。コメディーからアクション、人間ドラマと幅広く活躍する。芸術のためならヌードも辞さず、『ブロークバック・マウンテン』『ラブ&ドラッグ』では美しい裸体も披露した。本作では、娘の養育費を稼ぐため売春婦となり、結核で命尽きるファンテーヌを演じ、すでにゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞している。

サリー・フィールド 『リンカーン』

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主・助演合わせてノミネート3回目(主演で2回受賞)
1946年11月6日、アメリカ生まれ。18歳でテレビシリーズ「ギジェットは15歳」の主役でデビューし、続いて主演した「いたずら天使」も大ヒット。キュートなコメディー女優として人気者に。泥くさく庶民的な雰囲気を生かした『ノーマ・レイ』『プレイス・イン・ザ・ハート』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、2度目の「皆、わたしを愛してるのね」というスピーチが印象的。美貌を売りにはしていなかったため、母親役への移行もスムーズで、最近は孫を持つヒロイン役などもこなす。本作では息子を亡くした心痛で、重要な局面を迎えた夫リンカーンのサポートどころではなくなってしまう、妻メアリーを熱演。

ヘレン・ハント 『ザ・セッションズ(原題) / The Sessions』

主・助演合わせてノミネート2回目(主演で1回受賞)
1963年6月15日、アメリカ生まれ。演出家の父の勧めで幼いころから舞台に立ち、その後テレビや映画へと活動を拡大。『ペギー・スーの結婚』や『君がいた夏』などで地道な活動を続けた彼女のブレイク作が、シットコム「あなたにムチュー」で、エミー賞を4年連続で受賞。コメディー作品で人気獲得後は『キャスト・アウェイ』やオスカーを受賞した『恋愛小説家』といった大作出演が増え、心のひだを表現する情緒豊かな演技に定評ある実力派に。2007年には『いとしい人』で監督&脚本家デビューを果たした。本作では、急性灰白髄炎で全身まひの青年を手助けするセックス・ヘルパーを演じた。

エイミー・アダムス 『ザ・マスター』

作品情報

主・助演合わせてノミネート4回目(受賞なし)
1974年8月20日、イタリア生まれ。高校卒業後、ミネソタのディナー・シアター出演中に『わたしが美しくなった100の秘密』で女優デビュー。低予算の青春映画やテレビシリーズのゲスト出演を続け、南部のナイーブな女性を演じた『ジューンバッグ(原題) / Junebug』でアカデミー賞候補に。その後は『魔法にかけられて』『ザ・ファイター』『人生の特等席』と次々に話題作に出演。コメディーやミュージカル、シリアスな人間ドラマと自由自在に演じ分ける多才ぶりで高い評価を得ている。本作では、謎の思想集団を率いる夫を裏で操っている妻役で、狂気的な演技を披露した。

ジャッキー・ウィーヴァー 『世界にひとつのプレイブック』

作品情報

主・助演合わせてノミネート2回目(受賞なし)
1947年5月25日、オーストラリア生まれ。19歳で女優デビューし、オーストラリアの舞台やテレビ、映画界で活躍。映画デビュー作『ストーク(原題) / Stork』でオーストラリア映画協会賞主演女優賞を受賞しており、実力は折り紙付き。彼女が出演した『ピクニックatハンギング・ロック』や『ハーモニー』は国外でもヒットしたが、世界的に注目を浴びたのは『アニマル・キングダム』。見た目と裏腹な犯罪一家の邪悪な家長を熱演し、大ブレイク。本作では情緒障害を抱えた息子、失業中なのにギャンブル好きな夫にひたすらつくす母親を演じた。

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