第72回ベネチア国際映画祭特集
9月2~12日(現地時間)に開催される第72回ベネチア国際映画祭。今年の審査員長は、『天国の口、終りの楽園。』『ゼロ・グラビティ』などで知られるメキシコ人監督アルフォンソ・キュアロンが務める。イエジー・スコリモフスキ、アモス・ギタイ、アレクサンドル・ソクーロフ、アトム・エゴヤン、トム・フーパー、チャーリー・カウフマン……巨匠から新鋭まで多彩な監督たちの、コンペティション部門に選出された全21作品を紹介します!
金獅子賞(最優秀作品賞)
【製作国】ベネズエラ
【監督】ロレンソ・ビガス
【キャスト】アルフレド・カストロ、ルイス・シルバ
【ストーリー】
カラカスで歯科技工所を営むアルマンドは、バス停でたむろする少年たちに小金を渡しては家まで同行するよう頼んでいた。彼は少年たちに、近所に住む老人の動向を見張らせており、ある日アルマンドがチンピラを伴い帰宅したことで彼らの人生が一変する。
【ここに注目】
ニューヨーク大学で映画を学んだベネズエラの新鋭、ロレンソ・ビガス監督によるヒューマンドラマ。ベネズエラの首都カラカスを舞台に、ごく平凡な生活を送っていた男が、あるならず者の青年との出会いをきっかけに転落していく姿を描き出す。
審査員特別賞
【製作国】トルコ、フランス、カタール
【監督】エミン・アルペール
【キャスト】メフメト・オズギュル、ベルカイ・アテス
【ストーリー】
政治的暴力がまん延するイスタンブールで、警察高官のハムザはカディルの条件付き釈放を申し出る。その交換条件としてカディルは出所後、スラム街でゴミ収集人を装いながら新たに設立された諜報(ちょうほう)機関の部員として働くことになる。
【ここに注目】
トルコの俊英、エミン・アルペール監督によるポリティカルサスペンス。警察の手先となって働かざるを得ない兄と、弟アフメトがたどる数奇な運命を描き出す。トルコ映画では近年、『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』が本映画祭で審査員特別賞を受賞している。
【製作国】アメリカ
【監督】ローリー・アンダーソン
【キャスト】ローリー・アンダーソン
【ストーリー】
ローリー・アンダーソン自身の個人的な経験に基づく、生と死をテーマにした物語。
【ここに注目】
ロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」結成メンバーの一人で、パンクの詩人との異名をとる伝説的ロック歌手ルー・リード。彼の3人目の妻で、最期をみとった前衛パフォーマンスアーティストのローリー・アンダーソンが、夫ルー、母親、そして愛犬を失い、その思い出と仏教の教えなどを叙情的に表現する。
【製作国】イタリア、フランス、スイス
【監督】マルコ・ベロッキオ
【キャスト】ロベルト・ヘルリッカ、ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ
【ストーリー】
17世紀。聖職者のフェデリコはボッビオの修道院で行われた宗教裁判で、尼僧のベネディッタが司祭であったフェデリコの兄を死に至らしめたことを彼女に自白させねばならなかったが、彼女の魅力に陥落する。そして数世紀後、旧跡の購入を希望するロシア人を案内していた税務調査官のフェデリコは、荒れ果てた屋敷に住む謎の老人の存在を知り……。
【ここに注目】
マルコ・ベロッキオは『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』などで半世紀にわたって活躍するイタリアの巨匠で、本映画祭では生涯功労賞、芸術貢献賞、審査員特別賞、国際映画批評家連盟賞を受賞するなど輝かしい実績を誇る。本作は監督が故郷ボッビオで閉鎖された牢獄を発見したことから生まれ、さらに監督の心に大きな傷として残る双子の弟の死への思いを込めた渾身(こんしん)の一作。主人公のフェデリコを監督の息子ピエール・ジョルジョ・ベロッキオが演じていることからも、彼のフィルモグラフィーの中でも特別な作品となりそうだ。
【製作国】オーストラリア
【監督】スー・ブルックス
【キャスト】ラダ・ミッチェル、リチャード・ロクスバーグ
【ストーリー】
夫妻はまな娘のグレースを捜している。彼女は友人と一緒に、あるバンドを追い掛けたまま行方がわからなくなっていた。
【ここに注目】
オーストラリア南西部のウィートベルト地域で撮影を敢行。一般的な家族をユーモアとペーソスを交えて捉えていく。グレース役には、ファッション誌「Vogue」などが注目する10代の女優オデッサ・ヤング。オーストラリア国内の映画賞を総なめにした『ジャパニーズ・ストーリー(原題) / Japanese Story』(※日本劇場未公開)でも知られる、オーストラリア出身の女性監督初のコンペ出品となる。
【製作国】アメリカ
【監督ドレイク・ドレマス
【キャスト】クリステン・スチュワート、ニコラス・ホルト
【ストーリー】
イコールズは温厚な種族。ところが世界的にSOS(スイッチ・オン・シンドローム)がまん延し、それに感染すると感情を持ってしまうという。この世界では個々の自由な感情は危険視されていたのだ。
【ここに注目】
日本でロケを敢行した本作は近未来の新種族を描くSFラブストーリー。『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートは感情を持ちながら、それを隠して生きる女性ニアを演じ、SOSに感染した青年サイラス役のニコラス・ホルトと恋の逃避行を繰り広げる。女性のヘアスタイルが短髪のみ、など独特の世界観が目を引く。巨匠リドリー・スコットがプロデューサーの一人として名を連ねている。
【製作国】カナダ、ドイツ
【監督】アトム・エゴヤン
【キャスト】クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー
【ストーリー】
ナチスに監視役として協力し、自分の大切な家族を死に追いやった者たちの姿をゼヴは70年間片時も忘れることなく生きてきた。そして彼は、今もなおかつての身分を偽って生きている監視役たちに自ら報復しようとする。。
【ここに注目】
『人生はビギナーズ』のオスカー俳優クリストファー・プラマーと、『エド・ウッド』のマーティン・ランドーという80歳を過ぎた熟練のオスカー俳優2人が共演を果たした衝撃作。かつて家族の命を奪った相手に復讐(ふくしゅう)を誓った主人公の執念の物語。『スウィート ヒアアフター』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したカナダの鬼才、アトム・エゴヤン監督のベネチアで初の受賞に期待がかかる。
マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)アブラハム・アッター
【製作国】アメリカ
【監督】キャリー・ジョージ・フクナガ
【キャスト】イドリス・エルバ、アブラハム・アッター
【ストーリー】
アフリカの某国で内戦が勃発。家族で教会に通うなど幸せに過ごしてきた少年アグーは大好きな母親と引き離され、戦士へと鍛えられていく。
【ここに注目】
移民たちの過酷な現実を描き、話題となった映画『闇の列車、光の旅』で長編デビューしたフクナガ監督の新作。今作ではナイジェリアの作家の小説を基に、アフリカの架空の国を舞台に、少年兵に関する社会問題を提起する。『スター・トレック』最新作への出演や『007』シリーズの次期ジェームズ・ボンド候補として注目の英国俳優イドリス・エルバが指揮官役に、アグー役に新人アブラハム・アッターを起用。制作はNetflix社。
最優秀女優賞 ヴァレリア・ゴリノ
【製作国】イタリア、フランス
【監督】ジュゼッペ・M・ガウディーノ
【キャスト】ヴァレリア・ゴリノ、マッシミリアーノ・ガッロ
【ストーリー】
ナポリとポッツオーリの中間に住むアンナは、仕事は順調だったが、家庭に問題を抱えていた。彼女には3人の子供と夫がいたが、夫は組織的犯罪に関わっており、アンナは精神的に追いつめられていた。
【ここに注目】
ジュゼッペ・M・ガウディーノは主にドキュメンタリー映画を手掛けるイタリア人監督。ロッテルダム国際映画祭の最高賞にあたるタイガーアワードを受賞した『ラウンド・ザ・ムーンズ・ビトウィーン・アース・アンド・シー(英題) / Round the Moons Between Earth and Sea』は、本映画祭コンペ部門にもノミネートされ、本作では18年ぶりに同部門に挑む。ナポリ出身で『レインマン』などハリウッド映画でも活躍し、本映画祭の女優賞を獲得したこともあるヴァレリア・ゴリノをヒロインに迎える。
【製作国】フランス、チェコ、ベルギー
【監督】グザヴィエ・ジャノリ
【キャスト】カトリーヌ・フロ、アンドレ・マルコン
【ストーリー】
1921年のバリ郊外。音楽を愛する大富豪のマルグリットは内輪のサロンでオペラのアリアを披露していた。しかし、彼女は恐ろしく音痴だった。彼女は誰からも真実を告げられたことがなく、自分の歌の才能を疑わなかった。やがて彼女はステージで歌いたいと思うようになるが……。
【ここに注目】
あまりに音痴だったために有名になったオペラ歌手、フローレンス・フォスター・ジェンキンスにインスパイアされ、物語の舞台を1930年代頃のアメリカから1920年代のフランスに移したコメディー。日本では『情痴 アヴァンチュール』が公開されたグザヴィエ・ジャノリ監督は、本作をコメディーである一方、愛や人生についての物語でもあると語っている。『女はみんな生きている』『大統領の料理人』などのタフな女性像で人気のカトリーヌ・フロの好演に注目。
【製作国】イスラエル、フランス
【監督】アモス・ギタイ
【キャスト】イツハク・ヒスキヤ、ピニ・ミテルマン
【ストーリー】
1995年11月4日、イスラエル首相イツハク・ラビンが極右のユダヤ人青年に銃撃され、暗殺された。進行中のイスラエルとパレスチナとの和平を妨害するための犯行だった。
【ここに注目】
イスラエルを代表する映画監督アモス・ギタイが、ラビン首相暗殺事件を映画化。一昨年の『アナ・アラビア(原題) / Ana Arabia』など、アモス・ギタイは本映画祭コンペ部門には6度目の出品となる常連。本作は、フッテージ映像を織り交ぜ、 主に裁判記録を基に物語を組み立てたという。イスラエル・サッカー界のスター選手だったモルデハイ・シュピーグラーをラビン首相役に配した、意外なキャスティングにも注目。
【製作国】イタリア、フランス
【監督】ルカ・グァダニーノ
【キャスト】ティルダ・スウィントン、レイフ・ファインズ
【ストーリー】
ロックスターのマリアンヌとレコードプロデューサーの婚約者ポールは、バカンスで地中海に浮かぶパンテレリア島を訪れる。のどかな島で休日を過ごしていた彼らだが、そこへいきなりマリアンヌの昔の恋人ハリーが娘のペネロペを連れて押し掛けてくる。
【ここに注目】
『ミラノ、愛に生きる』のルカ・グァダニーノ監督がメガホンを取り、アラン・ドロン&ロミー・シュナイダー主演のサスペンス『太陽が知っている』をリメイク。同監督の前作にも出演した『フィクサー』のオスカー女優ティルダ・スウィントンや、『グランド・ブダペスト・ホテル』のレイフ・ファインズら豪華キャストが集結。主人公と婚約者、そして彼女の秘密の恋人とその娘が織り成す複雑な人間模様が見ものだ。
【製作国】南アフリカ共和国、フランス
【監督】オリバー・ハーマナス
【キャスト】ニコラ・デュヴォシェル、クリスタル・ドナ・ロバーツ
【ストーリー】
南アフリカの小さな町に住む若い女性のもとに、4年の刑期を終えた夫が帰ってくる。新たな人生をスタートしたばかりのある日、近所で農業を営む外国人が惨殺された。やがて、彼女は妻を殺された男と強く惹(ひ)かれ合い、暴力的で異様なつながりを結ぶようになる。
【ここに注目】
本作が長編3作目となる、南アフリカ出身のオリバー・ハーマナス。前作『ビューティー(英題) / Beauty』はカンヌ国際映画祭ある視点部門に選出され、性的マイノリティーをテーマにした作品に与えられるクィアパルムを受賞した。主演は、『マルセイユの決着(おとしまえ)』のフランス人俳優ニコラ・デュヴォシェル。暴力と殺しの連鎖から抜け出せない男女を描いたショッキングな内容は、波紋を呼ぶこと必至。
【製作国】イギリス、アメリカ
【監督】トム・フーパー
【キャスト】エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル
【ストーリー】
1920年代のコペンハーゲン。画家のグレタは、夫アイナーに女装をさせて女性の肖像画を描く。その絵画が世間の注目を浴び、グレタは画家として認められていく。
【ここに注目】
デヴィッド・エバーショフ著の実話に基づく小説「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」をベースに、1930年代に男性から女性へ性転換したデンマーク人の画家アイナー・ウェゲナー(女性名リリー・エルベ)と、その妻グレタの半生を描く。複雑で深遠なテーマに臨むのは『英国王のスピーチ』のフーパー監督と、『博士と彼女のセオリー』でスティーヴン・ホーキング博士を演じたレッドメイン。オスカー監督&俳優の『レ・ミゼラブル』に続くタッグとなる注目作。
審査員大賞
【製作国】アメリカ
【監督】デューク・ジョンソン、チャーリー・カウフマン
【声の出演】ジェニファー・ジェイソン・リー、デヴィッド・シューリス
【ストーリー】
自身が無力だと葛藤する主人公の男。すると突然、静寂の中から響く少女の声が彼を満たしていく。男は、よりよい生活を求めて動きだす。
【ここに注目】
チャーリー・カウフマン監督初のストップモーションアニメーション作品。ハリウッドのスタジオ出資作ではなく、製作資金はクラウドファンドで募った。静止している物体を1コマごとに動かし撮影する物語の基となるのは、カウフマン監督が過去に書いた戯曲。メイキングではレオナルド・ダ・ビンチの名画「最後の晩餐」を模したシーンがある。
【製作国】中国、フランス
【監督】チャオ・リャン
【ストーリー】
広大な草原が広がる中国の内モンゴル自治区。一方で炭鉱における非人道的な環境は、現代の中国経済の側面を映し出していた。
【ここに注目】
チャオ・リャンは現代中国の世相に鋭く切り込むドキュメンタリー作家。ナント三大陸映画祭でグランプリに輝いた『クライム・アンド・パニッシュメント(英題) / Crime and Punishment』や、カンヌ国際映画祭のカメラドールにノミネートされた『ペティション(英題) / Petition』などで国際的に評価されている。ナレーションや劇中に登場する旅人などは、ダンテの『神曲』にインスパイアされたという。
【製作国】イタリア、フランス
【監督】ピエロ・メッシーナ
【キャスト】ジュリエット・ビノシュ、ルー・ド・ラージュ
【ストーリー】
アンナはシチリア島の邸宅で静かな日々を送っていた。しかし突然、息子ジュゼッペのガールフレンドと名乗るジャンヌが現れる。ジュゼッペにシチリアに誘われたというジャンヌだったが、2人とも互いのことを知らされていなかった。ジュゼッペが現れないまま日は過ぎていき……。
【ここに注目】
パオロ・ソレンティーノのアシスタントとして『きっと ここが帰る場所』などに携わったピエロ・メッシーナは、本作が長編デビューという1981年生まれの新鋭。本作については、ノーベル文学賞を受賞したイタリア人作家ルイジ・ピランデッロの作品にインスパイアされたとのこと。ヒロインを演じるのは、アカデミー賞助演女優賞と三大映画祭女優賞を制した名女優ジュリエット・ビノシュ。
【製作国】ポーランド、アイルランド
【監督】イエジー・スコリモフスキ
【キャスト】リチャード・ドーマー、ダヴィッド・オグロドニック
【ストーリー】
老いた者や若い者、あるいは裕福な者や日々の生活に追われる貧しい者たち……。それぞれ年代も社会的立場も異なる人々のさまざまな人生における、11分間のストーリーを紡ぎ出していく。
【ここに注目】
『エッセンシャル・キリング』のポーランドの名匠、イエジー・スコリモフスキ監督によるスリラー。『ベルファスト71』のリチャード・ドーマーや『幸せのありか』のダヴィッド・オグロドニックらが共演。『出発』でベルリン国際映画祭金熊賞、『ザ・シャウト/さまよえる幻響』でカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、『エッセンシャル・キリング』で本映画祭審査員特別賞に輝き世界三大映画祭を制覇した大物監督だけに有力だ。
【製作国】フランス、ドイツ、オランダ
【監督】アレクサンドル・ソクーロフ
【キャスト】ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、ベンヤミン・ウッツェラート
【ストーリー】
ナチス・ドイツの支配下に置かれたフランスでは、数々の芸術がこれまで直面したことのない危機にさらされていた。強大な権力の下でもなお、芸術の美しさや素晴らしさは市井の人々の心をとらえてやまなかった。
【ここに注目】
大日本帝国時代の昭和天皇を描いた『太陽』などで知られ、前作『ファウスト』が本映画祭金獅子賞を受賞したロシアの重鎮アレクサンドル・ソクーロフ監督が、ナチス占領下のパリを舞台に権力と芸術のせめぎ合いを表現した歴史ドラマ。『ヴィオレッタ』のルイ=ド・ドゥ・ランクザンや、ドイツのテレビを中心に活躍するベンヤミン・ウッツェラートらが出演。
銀獅子賞(最優秀監督賞)パブロ・トラペロ監督
【製作国】アルゼンチン、スペイン
【監督】パブロ・トラペロ
【キャスト】ギレルモ・フランセーヤ、ピーター・ランツァーニ
【ストーリー】
1980年代、アルゼンチンで暮らすクラン・プッチオ一家は、近隣でも裕福なファミリーとして知られていた。だが、その富は彼らが額に汗して働いた結果ではなく、身代金誘拐をなりわいとして得たものだった。
【ここに注目】
1980年代に実際にアルゼンチンで複数の身代金誘拐殺人事件を起こした、ある一家の恐るべき実態に迫る社会派ドラマ。アルゼンチンの鬼才、パブロ・トラペロ監督がメガホンを取り、『瞳の奥の秘密』の実力派俳優ギレルモ・フランセーヤとタッグを組む。同監督は、『ハゲ鷹と女医』(※日本劇場未公開)がアカデミー賞外国語映画部門代表作品に選出されたり、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されている。
最優秀男優賞 ファブリス・ルキーニ / 最優秀脚本賞
【製作国】フランス
【監督】クリスチャン・ヴァンサン
【キャスト】ファブリス・ルキーニ、シセ・バベット・クヌッセン
【ストーリー】
裁判所の所長ミシェル・ラシーヌは自分にも他人にも厳しく、皆に恐れられていた。ところがビルギットに再会したその日から、全てが一変してしまう。6年前、裁判の陪審員の一人としてミシェルの前に現れたビルギットは、ミシェルが愛した、ただ一人の女性だった……。
【ここに注目】
本映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞した長編デビュー作『恋愛小説ができるまで』や『大統領の料理人』で知られるクリスチャン・ヴァンサン。『ボヴァリー夫人とパン屋』などの名優ファブリス・ルキーニは、監督の短編や『恋愛小説ができるまで』で主演を務め、本作で25年ぶりのタッグが実現。『アフター・ウェディング』のデンマーク人女優で、フランスの劇場で演技を勉強した経験のあるシセ・バベット・クヌッセンとの共演も見もの。