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ブラックアダム (2022):映画短評

ブラックアダム (2022)

2022年12月2日公開 124分

ブラックアダム
(C) 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.9

なかざわひでゆき

最後に勝つのは本能か、それとも理性か

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 圧政が敷かれた中東某国で、太古の破壊神ブラックアダムが復活。庶民を苦しめる支配者を撃退する彼に人々は歓喜するものの、世界の秩序を守らんとするヒーロー軍団がその行く手を阻む。要するに、悪い奴はぶっ殺してやる!という暴力的な本能と、いやいや、きちんと国際ルールに従って対処しましょうよという平和的な理性の衝突だ。確かに暴力は何の解決にもならないが、かといって綺麗ごとの理想論にも限界がある。それゆえに双方が妥協点を探りながら、よりベターな正義の在り方を模索していくわけだ。なるほど、今の時代に相応しいスーパーヒーロー映画。深刻になり過ぎることのない適度な軽さもサジ加減が良い。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

『ジャングル・クルーズ』に続き、アトラクション感満載

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ジャングル・クルーズ』に続き、ドウェイン・ジョンソンと組んだジャウマ・コレット=セラ監督らしくなさ全開(笑)! 本作もアトラクション感が強く、復活を遂げたアダムの暴走にひたすら巻き込まれる。アクション描写を畳みかけることで、できるだけ観客を退屈させない力業な作りという点では、NETFLIXのアクション大作に近いが、悪く言えば一本調子。また、アダムと母子の関係性は『T2』に、ヒーロー軍団「JSA」は劣化版『アベンジャーズ』に見える既視感もあるが、ピアース・ブロスナンの存在感でギリ締まる。ガチでノー天気な作りだけに、ラストのサプライズも含め、DCEUの新たな風になることは間違いないだろう。

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相馬 学

物語をうねらせ、DCをも再生させるロック様の力技!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 勝因はドウエイン・ジョンソンに尽きる。ニラミの効く目力の凄みに圧倒的な筋肉量、そして問答無用の威圧感。これで“破壊神”を名乗られたらゴメンナサイとしか言いようがない。

 一応はスーパーヴィラン映画だが、今やハリウッド随一の愛されスターの主演作なのだから、そこは変化球が効いている。面白いのは“正義”の概念のとらえ方で、ヒーローの正義が、必ずしも正義とならない場所もある。そんな世の複雑さを浮かび上がらせた点に硬派な味アリ。

 アクションはもちろん派手で豪快。製作を兼任したドウェインはDCのマルチバース化にも意欲的で、それを匂わせるラストも見逃せない。力技が随所に生きた快作!

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斉藤 博昭

“倍速不可”を主張する作りなので、これは映画館で観るべき

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

本作の最大の持ち味は、圧倒的なスピード感とテンポ。最近のアクションヒーロー映画の中でも突出した“勢い”の良さに平伏す。
5000年前から始まるドラマも余計な枝葉を削って重要部分にフォーカス。アクションにしても動きの途中を省略し、発端と結果が瞬時に描かれたりして、まさに息つく間を与えない。この演出に賛否あるかもしれないが、作品の特徴にはなっている。上映時間124分とは思えない濃厚な内容かと。
ドウェインは、スッキリ体型で登場するシーンが新鮮。ブラックアダムの妙な皮肉っぽさや、無敵のオレ様ぶりは、差し替え不能のキャストだと心から納得。相手側ではホークマンの正統的カッコよさ、アダムのユルさも好味。

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大山くまお

ウジウジ悩まず即断即決で暴れまくるヒーロー爆誕

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

ドウェイン・ジョンソン=ロック様がDC映画に降臨! 善も悪も関係ない“破壊神”ブラックアダムが誕生するオリジンストーリーだが、ウジウジした悩みは一切なし。即断即決で行動して暴れまくる(だけど子どもは絶対守る)のが爽快この上ない。ブラックアダムとヒーローチーム・JSAとの熾烈なバトルもたっぷり描かれるし、最後にオッとなるサプライズも用意されていて、「DCエクステンデット・ユニバース」を再起動させる一作としても申し分なし。ブラックアダムとJSAと人々の関係を、アメリカと中東をめぐる国際情勢と重ねて見るのも面白いだろう。オールド映画ファンは意外な作品とのリンクに歓声をあげるかも。

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平沢 薫

どこかに運ばれていく感覚が持続して気持ちいい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 体ごとどこかに運ばれていく。カメラが、そうとは意識させずにずっと動き続けて、アミューズメントパークのアトラクションに乗っている時のような、どこまでも運ばれていく感覚が持続するのが心地良い。金や緑の極彩色の世界と、スピードの速さも快適。

 ブラックアダムを筆頭に、このDCキャラはマーベルだったらあのキャラだよね、とすぐに分かるヒーローばかり集めているのは、DC世界の奥行きを誇示するためだろう。白人は老いた英国人のみで、他の人種は多種多様という多国籍感も今っぽい。ドウェイン・ジョンソンの魅力が悪役設定でも変わらないのは、むしろ誇るべき持ち味。そしてやっぱり、楽しいサプライズが待っている。

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村松 健太郎

ドウェイン・ジョンソンがノリノリ

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

キャラクターものというと役者が演じてキャラクターに寄せていくパターンと、役者の属性がそのままキャラクターに巧く乗っかるパターンがありますが今作は完全に後者。
プロデューサーも兼任したドウェイン・ジョンソンがブラックアダムというキャラクターをノリノリで演じています。DCEUに足りなかった豪快さと陽性さがこの作品には満ち満ちていて大変景気の良い娯楽大作です。現在再編中のDCEUにおいてこの作品をゲームチェンジャーにするという宣言が出ましたが、それも納得の推進力のある映画です。スカッとしたい方必見。

この短評にはネタバレを含んでいます
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